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巡礼の最終目的地

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今年の巡礼の旅では、最終目的地とされるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに行きました。 聖ヤコブの遺体が安置されたカテドラルは 金色が強く、 想像していた姿とは違いましたが、ここで感謝の祈りを捧げて今年を締め括ります。 年明けより少しずつ、旅のメモなどを書いていきたいと思います。 皆さまどうぞ良いお年をお迎え下さい。

今年最後のプレゼント

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今年の一年はとても早かったように感じます。 視点を変え、色々な方面に首を突っ込んだせいかもしれません。 その為か、大きな成果は出せなかった年でしたが、最後の最後に来年に繋げていけそうなご縁を頂きました^^。 それは、地味な積み重ねの向こうにある景色をちらっと見せて頂いた時でもありました。 感謝です。 来年も労を惜しまず、そしてあきらめず続けていこうと思います! どうぞ良いクリスマスをお迎えくださいませ。  写真の場所:ベルナール・ビュフェ美術館ミュージアムショップ

<ロベール・ドアノーと時代の肖像>ベルナール・ビュフェ美術館にて

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久しぶりに、静岡のベルナール・ビュフェ美術館に行って来ました。 開催中の<ロベール・ドアノーと時代の肖像>を観る為と、クレモンティーヌ・ドルディル氏と堀江敏幸氏による関連イベント<朗読会+対談:他者に映る自画像>に参加する為です。 美術館の建物は菊竹清訓氏による設計  「なぜ ビュフェ美術館 で写真家 ドアノー ?」と思いましたが展示を観て納得。 双方に共通するキーパーソンはなんと小説家の ジャン・ジオノ でした。 表現の仕方は違いますがジオノが織りなす世界に感銘を受け、それぞれが制作を続けたというのはとても興味深い事です。 他にもこの時代に生きた ピエール・ベルジェ との絡みなど、彼らの制作に深く関わった人物も紹介されており、当時の芸術・文化の世界を浮かび上がらせていました。 イベントが開催された「クレマチス丘ホール」 イベントではドアノーのお孫さんであるクレモンティーヌ・ドルディル氏の話からドアノーの生き生きとした姿が想像出来、自分も当時そこに居た様な気持ちになれました。  お隣の「駿河平自然公園」 企画展<ロベール・ドアノーと時代の肖像>は2017年1月17日(火)までです。 ベルナール・ビュフェ美術館 

東京オペラシティ

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東京オペラシティは私が大好きな場所の一つです。 理由は、 都心にありながら空間が大きく、混んでいない! 「アートギャラリー」 では 旬のアートに触れられる。 最先端のメディア・アートを体験できる 「ICC」 がある。 大好きなお店の 「ル・パン・コティディアン」 や 「コッペリア」 がある。 オペラやバレエを上演する隣の新国立劇場と合わせると、理由はまだまだあります。 「アートギャラリー」 に関しては 「サイモン・フジワラ|ホワイトデー」と友の会カード でも触れましたが、友の会に入ると自分の美術館感覚でより気軽に足を運べます。 「ICC」 には ICCでAKIINOMATAの展示を観る でも触れました。 こんなレベルが高くて楽しい施設に無料で入れるなんて!といつも感激しながら過ごしています。 「ル・パン・コティディアン」 は有機栽培の材料にこだわっているからでしょうか、正直ちょっと高い(!) でもその分、食べた後に体が喜んでいるのがしっかり分かります^^。 「コッペリア」 は、部屋着・寝間着(?)屋さん。 デザインがとても素敵でパジャマパーティー(今でもある?)では必ず褒められました(!) その他もおもしろいところがたくさんあります! 詳しくは こちら をご覧下さい。

クリスチャン・ボルタンスキー展

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庭園美術館で開催中の「クリスチャン・ボルタンスキー _アニミタスさざめく亡霊たち」を観てきました。 ボルタンスキーに庭園美術館は合わない気はしましたが、大好きな作家なので足を運びました。 建物の説明や各居室の説明展示の「アール・デコの花弁」との同時開催でした。 その為もあるとは思いますが、 彼が会場をどのぐらい読み取っていたのかも少し疑問です。 建物を見せる事とボルタンスキーの展示を同時に成すには無理があったのでは? 作品の声(音声)が小さすぎたも要因の1つかもしれません。 とは言え、ミュージアムカフェでゆっっくりし、閉館間際にもう一度 会場に戻ると外は暗く、人気の無い部屋の重みと共に先程とは違う 対自が作品と出来ました(^ ^)   ここは建物の個性が強いので企画を選ぶのは大変だと思いますが、折角新館が出来たのですから今後は思い切って新館の展示と本館の展示を分けるのも1つの方法ではないでしょうか。  

SHINCLUB 展

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先日、渋谷ヒカリエで開催された「SHINCLUB」展に行ってきました。 建築施工会社「辰」が 創業翌年より発行し続けてきたニュースレター 「SHINCLUB」 の創刊200号を記念した会です。 ずらっと並んだ200号全ての展示は圧巻で、更に内容がとても丁寧なので拝見していて温かな気持ちになりました。  團紀彦さんのゲストトークもありました。 敷地と建物の関係をカレーの具とルーに喩えた話や、土を移動させない話などがとても新鮮でした。 そこで"引き継ぐ"という事の捉え方も話題になり、継続していく事の大切さを感じていたところなのでそちらも とても興味深かったです。 それにしても團さんの言葉の選び方は美しくとても優雅! 闘う人でありながら、かなりのロマンチストとみました^_^  

弘前とフランスの交流~マーキングリンゴ~

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先月青森に旅行した際、サルコジ元大統領の顔をマーキングしたリンゴに出会いました。 そしてそこから、リンゴを通して生まれた弘前とフランスの素敵な繋がりを知りました。 たくさん実っているマーキングリンゴ、これらはすべて予約済み ‘ マーキングリンゴ ’は私達日本人にとって<寿><合格>など縁起のいい文字でなじみ深いですが、その発祥の地はなんとフランスでした! 16世紀には既に果物の表面に太陽光を利用してマークを付け、王族の為の高級果物として流通させていたそうです。 ところが、その素晴らし技術もその後の戦争などによって廃れてしまいます。 「資料として残っている伝統的な手法を復活させたい!」 というフランスの園芸協会会長の強い思いが弘前に届きます。 マーキングリンゴのシール・袋を手掛ける「佐藤袋店」へ彼がFAXしたのです。 そこから両国共同による復活試験が始まり、現在に至るそうです。 同じ方向への強い探究心が遠い国と国を自然と結びつけた美しい話だと思いました^^。 私が頂いたのは青森ねぶたのもの シールを剥がすとこんな感じ。濃淡も付いて美しい^^   株式会社佐藤袋店

【アート通信-10:「ポーラ美術館」】

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今回ご紹介するのは、2002年に開館した箱根のポーラ美術館です。 こちらは 【アート通信ー7:銀座のリュクスなアートスポット】 でご案内したPOLA MUSEUM ANNEXと同じ、株式会社ポーラの運営でオーナーのコレクションを基に丁寧な企画展と高いレベルの建築に注目が集まっています。 箱根という土地柄か公共交通機関でのアクセスの悪さが気になっていました が、小田原駅から美術館までの直通バスが開通してとても便利になりました。 小田原駅から出ている直通バス 敷地は国立公園! 遊歩道のある森 ここの魅力はなんと言っても広大な敷地と豊かな自然 です。 (敷地は富士箱根伊豆国立公園内にある!)自然環境保護の為、極力手を加えず残した周囲の森には遊歩道が整備され、20分程で巡れます。途中に小さな彫刻も点在しており、ベンチに腰を掛けて木々のざわめきや鳥の声をに耳を傾けるのもいいでしょう。そして動植物の説明も随所にあり、足を止めながらプチ学習も出来ます。こんなサービスも! 蒼いボックスの扉を開けると中にバードウォッチング用の双眼鏡が入っている *遊歩道は美術館利用を利用しない人にも開放されています。 森の中にひっそり隠れたガラスの玉手箱のような建物 森から美術館建物を見る 美術館の建物は周囲の環境に配慮し緑に埋もれる様に建てられているので、目を凝らさないと建物は認識出来ません。 そして環境への配慮は、 遮熱の為の屋根の上に流れる水や、自然光を取り込むガラスなど 建物にも及んでいます。 設計は当時日建設計にいらした安田幸一さんによるもので、銀座のPOLA MUSEUM ANNEXも彼が手掛けています。 屋根上に流れる水の波紋を通して光のカーテンが降り注ぐエレベーターホール メインのスペースはすべて地下なので入り口を入ると、山を愛でながらエスカレーターで地下へと進む 作品に合わせた壁の色 「ルノワールと色彩の画家たち」展示風景 常設展の展示の方法も独特で、背面の壁はその作品に合わせた色にするなど日本では珍しい方法を採用しています。また撮影可(不可の作品もある)という点も、撮影禁止が多い日本では珍しいですね。 注目のコレクショ

「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ」

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箱根のポーラ美術館で「ルソー、フジタ、アジェのパリ」を観てきました。 画家に資料として自分の写真を販売していたウジェーヌ・アジェ( 1857-1927 年)と、それを買っていた画家達を繋げるという切り口は興味深いものでした。 彼の写真を購入していた画家には、レオナール・フジタ( 1886-1968 年)、マン・レイ( 1890-1976 年)など著名な画家達が名を連ねています。 職業写真家として目に映るものを記録写真の様に切り取る彼の写真が、シュールだと評価されるようになった事も大変興味深く感じました。 アンリ・ルソー( 1844-1910 年)、詩人のギヨーム・アポリネール( 1880-1918 年)、ジャン・コクトー( 1889-1963 年)、フィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホ( 1853-1890 年)、ジョルジュ・ブラック( 1882-1963 年)、パブロ・ピカソ( 1881-1973 年)・・・ こうしてみるとこの時代の横の繋がりは凄かった! ポーラ美術館の所蔵作品も上手に使った企画展でした。 2017年3月3日まで開催しています。 次回はポーラ美術館の詳しいご案内を予定しています^_^  自然に埋もれるように建つ建築も素敵  

十和田市現代美術館ー秋ー

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十和田市現代美術館に行って来ました。 カフェ・ショップ棟の外壁に描かれたポール・モリソンによる「オクリア」 2年前に行ったときは冬で雪に覆われていたので、秋訪れるとどんな感じなのかと楽しみにしていました。 秋は秋で歩きやすいなど良さがある事は確かですが、結果として冬の方が感動が大きかったように感じます。 これは雪深い地区全般に言える事かもしれません。 真っ白い雪の中を歩いてやっと作品に出会えた時の満足感や、雪の中で突如として現れた作品との出会いが感動をより大きくしているようです。 そういえば「大地の芸術祭の里」のスタッフも、‘雪深い新潟で開催するにあたって作家は冬にその地を訪れ構想を練り作品を作るので、訪れるなら冬の方が作家の意図をよく組むことができる’と言っていました。 雪がなせるマジックかもしれませんね。 雪に埋もれた感じのエルヴィン・ヴルムの作品「ファット・ハウス」も実際雪に埋もれており、冬だとこんな感じ 雪の無い季節だとこんな感じ 雪の中からにゅきっと現れるインゲス・イデーの「ゴースト」と「アンノウンマス」 同じ作品も雪が無いと「ゴースト」の足元が見えてちょっと遊園地の遊具のようでちょっと残念・・・ 十和田市現代美術館 冬に訪れた時のメモはこちら

久しぶりのギャラリー

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ようやく涼しくなり、秋も深まるとにわかに忙しくなりますね。 観たい、観なければいけない展覧会リストを作り、それを睨みながら効率よく巡る方法を考えまくってます^^。 そんな中、久しぶりのギャラリー訪問でした。 新たにスタートしたSansio gallery   開催中の「HOMMAGE」 5人の作家がオマージュを捧げる作家を選び、そこから作品を作り発表するおもしろいスタイルの企画展でした。 会場はこんな感じ エロティックなはずのトルソーもフェイククリームで形づけられると神々しくさえ感じられるから不思議です。 渡辺おさむの作品:John KACEREへのオマージュ やはり旬の作家の作品には自然と目がいってしまいます。 何で? ああ!それが旬って事ね!

『没後10年ナムジュン・パイク展 2020年笑っているのは誰?+?=??』(前半)を観て

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今回は現在ワタリウム美術館で開催中の、2006年に亡くなった偉大なアーティスト、ナムジュン・パイク(1932-2006)の回顧展のご案内です。 初期から晩年の活動までをまとめて観られるチャンスで、会場がゆかりのあるワタリウム美術館*ですから、もう行くしかありません。 *彼は1978年にギャルリー・ワタリ(ワタリウム美術館の前身)で個展を開いています。 Room1: 1956-1978 年~フルクサスとの出会いからビデオアートの誕生まで~ 「TVフィッシュ」1975  1番初めのこの部屋では、彼の生い立ちからジョン・ケージ(1912-1992)、ヨーゼフ・ボイス ( 1921- 1986 ) との出会いまでを作品と共に紹介しています。 すべてはここから始まった、とも言える部屋です。 Room2: 1980-1983 年~VIDEAいろいろ~ 「心TV」1984  2番目の部屋では映像作品の他、「キャンドルTV」(1980)などが展示されており、次のステップに進む大事な時期だった様に感じられます。 *彼へのインタビューで印象に残った言葉 「体で行うパフォーマンスには限界がある。体では1秒に1つのパフォーマンスしか出来ないけど、映像だと1秒に数えきれない無限大のパフォーマンスが出来る。だから映像でパフォーマンスを行うんだ。」 Room3: 1984-1988 年~サテライトTV、ビデオアートの世界同時配信へ~ 「ケージの森 / 森の啓示」1993 3番目の部屋では、別の場所で派生するパフォーマンスを世界同時配信するサテライト・アートの作品が観られます。 私がオンタイムで観ていたのはこの辺りからです。 ある意味、当時の私は彼の作品を通して世界を透かし見ていたのかもしれません。 前半はここまでです。 こうして改めて彼の作品と言葉に触れてみると、当時より彼が今の、そしてもう少し先のアートがどうなっているのか言い当てていた事に驚きます。 地下のブックショプでは関連本も販売されています。 眺めるだけでも楽しい 私も貴重なサイン本を発見して思わず購入してしまいました^^; 後半は10月15日(土)からで、前半のチケットを提示すると300円引きになるそうです^^。 貴重な機会なので後半も是非

【アート通信-9:建物と現代美術の融合例】

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アンスティチュ・フランセ東京303号室 今回は、 建物と現代美術が見事に融合 した例として私も通学している神楽坂近くのフランス語の学校『 アンスティチュ・フランセ東京 (旧:東京日仏学院)』をご紹介いたします。 飯田橋と市ヶ谷の間、外堀通りから少し坂を 上がったところ、木々に囲まれた静かなアンスティチュ・フランセ東京の敷地 『アンスティチュ・フランセ東京』はフランス政府の公式機関で、朝から夜まで毎日開講の授業の他、フランスに関わる様々なイベントも開催しており、フランス文化を通して人と人の交流に寄与しています。 * イベントには通学生でなくても参加出来ます。 建築はル・コルビジェに師事し、近年その建物の保存で話題になった神奈川県立近代美術館など数々の名建築を建てたあの 坂倉準三 (1901-1969)によるものです。 そんな名建築にアートが施されたのは今から4年前の2012年の事です。 創立60周年の記念イベントでしたが、その時の事は今でも覚えています。 ある日学校行くと、学校全体がアートに乗っ取られていたのです! 303号室のRomain Erkiletlian<O.M.S.I.T.H> エアコンも配管もアートに呑み込まれている 303号室、Romain Erkiletlian<O.M.S.I.T.H> コックピットの様になった教室 皆、大騒ぎで隣の部屋、またその隣の部屋と次々に覗きに行きました。 105号室、Agathe de Baillliencourt<無題> 206号室、Pierre La Police<無題> 皆の反応は、 「これって一時的なものよね?」 「ずっとらしいよ~。いいじゃない、楽しくて!」 「え~落ち着かない・・・。」 と賛否両論でした。 当時の館長も 「教職員の間でも賛成ばかりではなかった、意義を受けたこともある。」 と言っています。 そして彼は 「‘議論をもたらす’それが大事な事だ。」とも言っています。 物議を醸しだすからこそおもしろい、色々な意見が出てくるから逆に分かり合える。 白い壁に自由に施された16人のフランス人アーティストの作品が、取り繕った人々の心を開き、感想や意見を言い合えるようにしたのなら、それはと