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7月, 2015の投稿を表示しています

小さな美術館

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織田廣喜の企画展をやっている小さな美術館「 東京アートミュージアム」 を訪問しました。 安藤忠雄設計の大きな吹き抜けのアトリエの様な美術館でした。 空調を効かせるのが難しい構造だったり、高い壁面への展示には足場が必要だったりと問題はありそうですが、空間自体は素敵でした。 ただ展示内容は、作品が斜めになっていたり、パネルの解説もお粗末で、質問にも答えられるスタッフもおらずちょっと残念でした。  

現代美術の見方

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‘現代美術はおもしろい!’と言われても鑑賞の仕方が分からないという方はいらっしゃいませんか? Guy Pieters Galleries ST PAUL VENCE 今回は、私のお奨めの「現代美術の鑑賞方法」をご紹介します。 *前回ご紹介した「展示を観る順番」に矛盾します。 1) 部屋に入ったらまず何の説明も読まずに大きく深呼吸して下さい。   力強いアートには周りの空間を支配する力があります。深呼吸する事でそれを感じて、そのエネルギーを吸収してください。   注)残念ながらやわな作品にはその力はありません。 2) 部屋の真ん中に立って下さい。   そして上を見て、下を見て、右を見て、左を見て下さい。   何が見えますか?何を感じますか?   天井や、部屋の隅に仕掛けが施されている事も多いですし、   四方を作品に囲まれた中央では独特のエネルギーを感じられるはずです。 3)次に周りを見渡して、 一番初めに目に飛び込んできた作品の傍に行って下さい。   そう、その作品があなたを呼んでいるんです。   そしてその作品と対話してください。   対話というと難しく感じるかもしれません。 感じて下さい。   ‘つまらない。’‘ふ~ん分からない。’と感じたら、タイトル、もしくは説明を読んで下さい。   それでも、興味が湧かなかったらすぐその場を離れて、2番目に目に飛び込んできた作品の傍に行きましょう。 これを繰り返します。 つまり作品のタイトルや解説を読む前に作品を鑑賞します。 タイトルや説明を先に読んでしまうと、先入観が入って想像の幅が狭くなってしまうので楽しくありません。何て言うか、学校の授業を受けているようになってしまいます。 *隅っこの方にある作品を鑑賞した際は、その隅っこから部屋全体をご覧になる事もお忘れなく。 また別の景色が見えます。 GUY PIETERS GALLERIES  ST PAUL VENCE 4) 部屋を出る時、必ず振り返りましょう。   振り返ると何が見える?   そう、<後ろ姿>が見えます。   立体など、全方向から鑑賞可能な作品にもあえて言うなら‘ここが顔だね’、という正面があります。   その顔は、入り口を向いているので出口から見える景色は<後ろ姿>

展示を観る順番

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美術館などに展示を観に行った際、どの順番で観るべきなのか、観る順番に迷った事はありませんか? 例えば一つの部屋で、左回りに観るべきなのか?右回りに観るべきなのか?というアレです。 自由? いいえ、決まっているんです。 観る順番は、「作品のタイトル」→「作品」の順です。 加藤雄也 「ともだち造り#1」 展示者はその順番で観て欲しいと展示しているのです。 とは言え、 たまに‘「作品タイトル」→「作品」’ → ‘「作品タイトル」→「作品」’ → と順番に観ていくと、途中から ‘「作品」→「作品タイトル」’となり、慌てる事があります。 これは鑑賞者を混乱させる悪い展示の仕方です。 では部屋に入ったら展示の説明を読み、必ず「作品タイトル」→「作品」という順序で鑑賞していかないといけないか、というとそんな事はありません。 あくまで展示者の意図はそうであって、この順番で観てもらえればスムーズに鑑賞できますよ、という無言の導きです。 つまり、逆から観るのも自由、ただし逆から観て人とぶつかりそうになったら、迷わず道を譲らなければいけません。そう、そういうルールなんです。 ちなみに、私は順番としては展示者の意思を尊重して、‘「作品タイトル」→「作品」’の流れでいきますが(*現代美術の場合を除く)、タイトルは見ないで先に作品を鑑賞します。作品鑑賞にタイトルは余り関係ないと思いますし、逆にタイトルを先に見てしまうと‘あ~そういう作品なのね’、と何も想像できなくてつまらないからです。 ‘きっとこんな思いで描いたんじゃないかな?’とか‘この場面のテーマはきっと○○に違いない’などと考えながら観た方が何倍も楽しいですから。 次回は私のお奨めする「現代美術の鑑賞の仕方」です。