展示を観る順番

美術館などに展示を観に行った際、どの順番で観るべきなのか、観る順番に迷った事はありませんか?
例えば一つの部屋で、左回りに観るべきなのか?右回りに観るべきなのか?というアレです。
自由?
いいえ、決まっているんです。

観る順番は、「作品のタイトル」→「作品」の順です。
加藤雄也 「ともだち造り#1」
展示者はその順番で観て欲しいと展示しているのです。
とは言え、
たまに‘「作品タイトル」→「作品」’ → ‘「作品タイトル」→「作品」’ → と順番に観ていくと、途中から
‘「作品」→「作品タイトル」’となり、慌てる事があります。
これは鑑賞者を混乱させる悪い展示の仕方です。

では部屋に入ったら展示の説明を読み、必ず「作品タイトル」→「作品」という順序で鑑賞していかないといけないか、というとそんな事はありません。
あくまで展示者の意図はそうであって、この順番で観てもらえればスムーズに鑑賞できますよ、という無言の導きです。
つまり、逆から観るのも自由、ただし逆から観て人とぶつかりそうになったら、迷わず道を譲らなければいけません。そう、そういうルールなんです。

ちなみに、私は順番としては展示者の意思を尊重して、‘「作品タイトル」→「作品」’の流れでいきますが(*現代美術の場合を除く)、タイトルは見ないで先に作品を鑑賞します。作品鑑賞にタイトルは余り関係ないと思いますし、逆にタイトルを先に見てしまうと‘あ~そういう作品なのね’、と何も想像できなくてつまらないからです。
‘きっとこんな思いで描いたんじゃないかな?’とか‘この場面のテーマはきっと○○に違いない’などと考えながら観た方が何倍も楽しいですから。

次回は私のお奨めする「現代美術の鑑賞の仕方」です。


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