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フランスのパン屋さん

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南仏の美術館 について書いていますが、ちょっと割り込みで今日は ‘Boulangerie(パン屋さん)’ について書きます。 良く見かける手作りパン屋さんの看板 フランスのパン屋さんでは(日本のパン屋さんもその傾向にありますが)、 通常のパン の他、 サンドウィッチ などそのまま食事になるパンや、ペットボトルなどの お水 、 牛乳 などの飲み物、 お菓子 、 サラダ などが売られています。 簡単に食事を済ませたい時などはとても便利です。 また、お水を買いたいがスーパーに入るのは面倒だし、近くにTABAC(日本のキヨスク)もないし、という時は迷わずパン屋さんにお入り下さい。  以前Tours(トゥール)を訪れた際、大家さんのマダムが提供して下さった牛乳とオレンジジュースがおいしくって、スーパーで探しても同じ物は無く、しかたなく似た物を購入いたしましたが違うお味で・・・別のスーパーに探しに行っても同じ結果。 どこで購入されたのか伺えばよかったのですが、日本に帰る頃になってなんとなく入った近所のパン屋さんにその牛乳とジュースが置いてあるのを見てびっくりするやらがっかりするやら・・・なんて事もありました^^; パンやサンドイッチにも 地方色 があります。 Pan-bagnat(パン・バニャ) という南仏名物の Salade Ni ç oise(サラド・二ソワーズ) をパンに挟んだサンドウィッチや、 Pissaladi è re (ピサラディエール) というタマネギとアンチョビのピザ(タルト)などがそれです。 Pan-bagnat(パン・バニャ) これらはもちろんパン屋さんで 入手可能ですし、お店によっては屋台の味、ひよこ豆の粉で作ったパリパリクレープといった感じの Socca(ソッカ) も手に入れる事が出来ます。 せっかく地方を訪れたからには地方料理を!でも思うようにレストランに入れないし、時間が無かったりって事ありますよね、そんな時もパン屋さんに行けば問題は解決です。低予算で地方の味を満喫出来ます。 パン屋さんを訪れる際気をつけなければならない点が1つ、それは 日曜日はお休み だという 事です。 ただ、当番制になっていて、日曜日でも開けているお店が必ず何件かあります。 どのお店かというのは、地元の案内

ルノワール美術館

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しばらく中断しておりましたが、今日より 南仏 美術館めぐり に 戻ります。 今回は、繋がりのある画家という事で、 Cagnes-sur-Mer(カーニュ・シュル・メール) にある Muse ē Renoir(ルノワール美術館) をご紹介いたします 。 リュウマチに侵されていたルノワールは、晩年をこの温かい日射しが差し込む静かな土地で暮らす事に決めました。 マチスなど、当時の画家達もこの コレット荘 (‘Collettes’という地名に建つことから、そう呼ばれていた)を頻繁に訪問していたそうです。 そのかつての住まいが今はそのまま美術館となり、公園の様に広い庭も公開されています。  ルノアール美術館と庭 カーニュ・シュル・メールには、ニースからは電車でもバスでも行けますが、 バス がお勧めです。 バスの方が安い(1ユーロ!)ですし、電車の駅は街の中心から離れているからです。 バスはニースからですと、長距離バスターミナルから 94番・400番・500 番のバス で40分ぐらい、 Square Bourdet(Square du 8 mai /Cagnes Square 8 mai) で下車します。 Square Bourdetはバスで回るときの拠点となる停留所で、 Grasse(グラース) や、 Vence(ヴァンス) に行く時もこちらを通ります。 バスを降りたら、南の方角を向いて(街の中心方向を向いて)左に進んで下さい。 ‘Avenue Renoir’ の表示があります。 しばらく進むと、道の左手に ‘PASSAGE RENOIR’ という表 示が見えます。ここを入って下さい。 近道です。私道っぽくて気がひけるかもしれませんが、大丈夫!ちゃんと美術館の方に教えて頂いたルートですからv(^-^)v ここを抜けたらそのまま進んで下さい。 道なりに進んで行くと左手に、美術館の入り口が見えてきます。  美術館入口を通りより見る かつての住居をそのまま美術館にしただけあって、入り口は美術館というより、普通のお宅っぽいです。見逃さないように! 入り口を入ると素晴らしい自然が広がっています。適度に手が入った庭はとても穏やかで美しく、ルノワールは、かつてオリーブ畑であったこの土地を破壊から守る為にを購

瀬戸内国際芸術祭ー⑥その他

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瀬戸内国際芸術祭のレポートにお付き合い下さりありがとうございました。10月31日までです。おもしろいです!いろいろな発見があります!アートそのものもおもしろいですが、瀬戸内海にあんな島があったなんて!あんな景色があったなんて!と驚きの連続です。 瀬戸内の海 高松港そばのオープンカフェでは、おにぎりの無料配布をしていました(終日ではなかったと思います)。真っ白い塩むすびでした。これがいいんですね、疲れた体には塩むすびが一番! カフェでは、島々の情報をスタッフの方々がいろいろ教えてくれます。 *高松港へは、高松空港からバスで45分。高松駅からは徒歩で5分です。 高松港そばのオープンカフェ 最後に、親切にして下さった島の皆様、バスが少し送れてフェリーの時間に間に合わないかも、という時に、停車の順番を代えて間に合わせて下さった運転手さん、ロッカーに入らない大きな荷物を預かって下さったフェリー切符降り場の方、暑い中、いつも笑顔で接して下さったスタッフの方々にあらためてお礼を申し上げたいです。 公式サイト や公式ガイドブックで予習してからの訪問がお薦めです。

瀬戸内国際芸術祭2010-⑤小豆島

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【小豆島】 小豆島は、他の島と比べると信号もありだいぶ「街」という感じがするのですが、バスで山の中に入って行くと、続く続く、のどかな風景! 栗田宏一氏の作品 〈土と生命の図書館〉 廃校になった旧大鐸小学校に展示。瀬戸内海周辺の海から採取した土を美しいグラデーションでずらっと並べた作品。 こんな微妙な色合いの土が日本にあったなんて! 旧小学校には広々とした図書室や校庭、きれいなプールが2つもありました。でもこんな素敵な学校も廃校になっちゃうんだな~と、島の現実を垣間見た気が。 王文志氏の作品 〈小豆島の家〉 こちらの作品は山の中を少し歩いた後、突如現れます。かなり大きいです。 竹を引き裂いて籠を編む要領で作られるます。自然素材を使った家なので、目を引きますが、難なく風景に溶け込んでいます。床に寝っころがると、編んだ竹の隙間から漏れるやわらかな光がとても気持ちいい!使用した竹は、地元の方が使わないから、と提供して下さったそう。 こまめ食堂 バス亭そばのこまめ食堂 で 、赤じそジュースを。おいしい~!疲れが一気に吹き飛びます。 宿泊した「リゾートホテルオリンビアン小豆島」から望む夕焼け 夕陽百選に選ばれたそのすばらしい夕焼けは、ロビーからも、部屋からも、露天風呂からも、プールからも鑑賞出来ます。「夕陽がきれいなので、ロビーにいらっしゃいませんか?シャンパンをご用意してお待ちしております。」と館内放送。こちらにはプールの他、ミニゴルフやテニスコート・卓球場などがあり、一日中ホテルで過ごしても楽しそう。外国人のお客様も多かったですよ。 リゾートホテルオリビアン小豆島

瀬戸内国際芸術祭2010-④豊島

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【豊島】 以前、不法投棄場所として有名になった島ですが、現在は、縄文時代の遺跡が点在し、棚田が広がる手付かずと言う言葉がぴったりの のどかで美しい島です。こちらで強く印象に残った作品は、森万里子氏 の 作品と、大阪芸術大学豊島アートラボの作品と、クリスチャン・ボルタンスキー氏の作品。 森万里子氏の作品 〈トムナフーリ〉 芸術祭の為に出来た「森万里子作品前」というバス停で降り、そこから5~10分歩きます。 なんと、このガラスの作品とスーパーカミオカンデがコンピューターで繋がっており、超新星が爆発すると光を放つ、という仕組みだそうです。もはやアートも宇宙規模! 大阪芸術大学アートラボの作品 〈ノリとたゆたう〉 今は使われていない海苔工場が会場です。 訪れた人はそこで海苔(の気持ち)になる事が出来ます。美しく、不思議な音楽と映像の中に身を投じ、海にたゆたうノリになります。不思議な体験でした。内部撮影禁止。 クリスチャン・ボルタンスキー氏の作品  〈心臓音のアーカイブ〉 人によって心臓音ってこんなに違うんだ! ここでは自分の心臓音を登録しCDにする事もできます(有料)。内部撮影禁止。登録した心臓音は作品となり、世界中の人に聞かれる、不思議な感じです。場所は、唐櫃港から、大阪芸術大学アートラボを過ぎて10分ぐらい歩いた所。 途中、林の様な所を通り、道を間違えたかな?と不安になった頃、島の方が、「もう少しだ。暑いけどがんばりや、あそこを曲がったらすぐじゃ。」と声を掛けて下さいました。やさしい~(‐^▽^‐)建物の外はすぐ海で、絶景です。 オリーブサイダー 安部良さんの島キッチンで昼食。おいしかった~≧(´▽`)≦ 食後はもちろん名物のオリーブサイダー!無農薬のレモン付。 この芸術祭の間、島には東回りと西回りのバスが走り、すべての作品を回れる様になっています。運転手さんの対応も丁寧で、島中で芸術祭を盛り上げている印象を受けました。

シャガール ーロシア・アヴァンギャルドとの出会いー

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またまた寄り道で、今日は東京芸術大学大学美術館で行われている 『シャガール ーロシア・アヴァンギャルドとの出会いー』   ( 2010年7月3日~10月11日) に 行って来ました。 ( 瀬戸内国際芸術祭2010 のレポートはこの後、⑥まで続く予定です。その後、 南仏の美術館 に戻ります。) この展覧会は、タイトルの通り、シャガールの作品が彼と同時代を生きたロシア出身作家の作品と共に展示されています。作品数は決して多くはありませんが、時代の中での彼の位置付け、業績をより良く理解する事が出来ました。 詳しい情報は http://marc-chagall.jp/ でどうぞ。 「ブラッスリー・レカン」 美術館に向かう前に、 上野駅の ブラッスリー・レカン でお昼を。 レトロな空間で、これから伺う展覧会への期待が高まります。 12時頃はすんなり入れたのですが、食事を終えて出てきた時は長蛇の列が! 早めか、遅めに入るのが良い様です。 「五智果」 鑑賞後は、上野駅と反対方向に少し進んだ交差点にある 『桃林堂』 で和菓子を購入。このお店は私の大好きなお店の1つです。店内でお抹茶と共にお菓子を頂く事も出来ます。写真は、伺うと必ず購入してしまう野菜のグラッセ『五智果』。野菜の味をしっかりと感じられ、かさばらなく日持ちもするので、ちょっとした手土産にぴったりですよ。

瀬戸内国際芸術祭2010-③直島

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【直島】 宮浦港 この島は、ベネッセが開発に携わったアートの島として有名です。 美術館などは、今回の為に出来たものではありませんが、ここまで来たからには寄っていかないと!驚いたのは、人が多い事。バスも込んでいます。宮浦港には、世界的に有名になった建築家ユニット‘SANAA’の建物があり、中にはインフォメーション・カフェ・ミュージアムショップ・トイレ が あります。 地中美術館 地中美術館では長蛇の列が!入館後も鑑賞待ちがありますが、これは適切な人数で、ゆったり鑑賞してもらう為のものなので焦らないで待つといいと思います。作品は大きくとらえると建築も入れて4つだけですが、決して物足りなさは感じません。安藤忠雄氏の建築と作品の一体化が素晴らしい!ほとんどの作品が参加型で、各自それぞれ違う鑑賞の仕方が出来そう。ミュージアムショップ・カフェ・トイレあり。 カフェでは、海が見えるすばらしい景色を堪能出来ます。人が多い割にはすいている印象。ミュージアムショップにて、「MICHI-KUSA」という草花を生ける小さなガラス器を購入。 「MICHI-KUSA」 ベネッセハウスミュージアム ベネッセハウス前の海岸 建物のデザインも面白く、広いスペースでゆったり鑑賞出来ます。レストラン・カフェ内にも展示があるので、見逃さないで。ミュージアムショップ もあり。 鑑賞後は、屋外作品を見ながら海の方に少し下って行くと、海岸に沿って広がる公園に出ます。見応えがある作品が点在し、テラスレストランでは絶景を前に、食事が出来ます。 家プロジェクト 「家プロジェクト」開催地区 廃屋と現代アートを組み合わせていくプロジェクトです。建築家の存在も無視出来ません。地中美術館などがある島の南側は、モダンな雰囲気ですが、このプロジェクトが行われている木村地区は、昔の家や町並みがそのまま残っていて、まったく違う雰囲気です。そしてそんな中で鑑賞する現代美術は格別です。 宮島達男氏・大竹伸朗氏・杉本博司氏・ジェームズ・タレル氏の作品があり、どの作品もすばらしい!宮島さんの作品は金魚のようで、杉本さんの作品は地下にもあります。 「茶寮おおみやけ」にて 江戸時代の大庄屋の長屋門を改装した「茶寮おおみやけ」での休憩もお薦め。

瀬戸内国際芸術祭2010-②男木島

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【男木島】 インフォメーション まず港に着くと、鋭角な港のラインにマッチする ジャウメ・プレンサ氏 の作品〈男木島の魂〉が迎えてくれます。屋根にはいろいろな国の言語が並び、それが模様になっています。内部がインフォメーションで、飲食スペース・トイレもあります。 高橋治希氏の〈SEA VINE〉 男木島は、 港まで迫った三角形の山に家々が張り付いている 島です。住民は毎日 くねくねと曲がった細くきつい坂を上り下りしなければいけません。〈SEA VINE〉は、海の景色を望める空き家を利用し、窓から波が入ったと仮定した様子を小さな陶磁器で表現した 高橋治希氏 の作品です。 急な斜面に家々が張り付くこの土地では窓のすぐ下に海があるように見えるので、窓から波が飛び込んで来る、というのはこの土地ならではの感覚ですね。 谷口智子氏 の〈オルガン〉 谷口智子氏 の〈オルガン〉 彩色したパイプを覗くと景色が見えます。そしてレバーを引くとオルガンの音が、しゃべると繋がっているもう片方のパイプにその音が出てきます! 糸電話のように 会話も出来ます。 すばらしい景色のもと、即興の音楽が生まれたり、顔は見えないパイプで繋がった人と会話が成立する楽しいコミュニケーションアートです。 坂を少し上った所にある「お食事処 円」のたこ飯がおいしそう!小学生の男の子が一心に食べている後姿が、そのおいしさを物語っていました。この島へは女木島系経由でも行けます。どちらの島も所要時間は半日程。名前通りの対照的な雰囲気の島で、双方訪れるのがお薦めです。 「男木島」港 瀬戸内国際芸術祭

瀬戸内国際芸術祭2010ー①女木島

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南仏で出会ったアートを紹介してきましたがここでちょっと、先日訪問した 『 瀬戸内国際芸術祭2010』(2010年7月19日~10月31日) のご報告です(南仏の紹介はこの後、引き続いて行います)。 「瀬戸内国際芸術祭2010」のポスター 第1回目の為か、その知名度が今ひとつ浸透していないように感じていたのですが、行ってみると大変な盛り上がりで、外国からの訪問客の多さにも驚きました。この芸術祭は、 7つの島(女木島・男木島・直島・豊島・小豆島・大島・犬島)と1つの港(高松) を中心に繰り広げられるアートイベントです。 今回は、女木島、男木島、直島、豊島、小豆島、高松を訪問しましたが、アートのすばらしさはもちろん!瀬戸内海の美しさ、そしてこの小さな島に日本の原風景とも言える景色が美しく残っていた事に驚きました。そして、何よりスタッフの真摯な応対やがんばりに感動しました。 【 女木島 】 港付近 フェリーターミナルがインフォメーションにもなっており、そこで地図やガイドを手に入れられます。そばには、石垣に囲まれたこじんまりとした集落があり、 禿鷹墳上氏 のグランドピアノの作品〈20世紀的回想〉の向こうには海水浴場が広がっています。 白い砂浜にまばらな人影で、どこかのリゾート地に来たかのようです。主な会場は石垣に囲まれた集落と、休校中の小学校。(鬼ヶ島大洞窟の方にも2点ほど作品があります) 行武治美氏の作品〈均衡〉 行武治美氏 の〈均衡〉は、 古い民家の納屋の内部でミラーガラスを組み合わせた立体の作品です。古い納屋とミラーガラス、という現代の素材が妙にマッチして不思議な空間を作り出しています。暗い空間なので、写真ではきれいではありませんがとても素敵な作品でした。 レアンドロ・エルリッヒ氏の作品『不在の存在』<見えないもの><二重の茶室> レ アンドロ・エルリッヒ氏 の作品『不在の存在』<見えないもの><二重の茶室> はそのネーミング通り、誰も居ないのにその存在を感じたり、逆にまったく感じられず怖さを感じたりする作品です。建物は和モダンの素敵な空間ですが、内部は撮影禁止。カフェ・トイレ・ライブラリーあり。 福武ハウス2010 福武ハウス2010( 休校中の女木小学校・旧女木保育