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屋根の傾斜はなだらかな土地の傾斜に沿っている |
フィンランドの著名な建築家でありデザイナーであるアルヴァ・アールト(Alvar Aalto:1898-1976)による建築です。
フランス人画商:ルイ・カレ(Louis Carrē:1897-1977)の晩年の家で、自然の中でアートと過ごす自宅兼ギャラリーです。
1959年に完成し(細部まで完成したのは1963年)、パリから西に40㎞、ベルサイユの先にあります。
*こちらはフランスで唯一見る事が出来るアールトの建築です。
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デザインされた頑丈な門 |
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雑木林の小道 |
門を入り、広大な敷地を歩いて行くと建物にたどり着きます。
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玄関入口付近 |
木材の使用や大きく厚い窓ガラス、そして光の入れ方などから北欧の建築家の手によるものだと感じる事が出来ます。
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ポーチの柱、こんなところにも木材を使用。 |
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木材を使用したリビング外観 |
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大きな厚い窓があるリビング |
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リビングの暖炉周辺は自然素材の使い方がとても素敵 |
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やわらかな光を取り込む玄関ホールの明かり窓 |
カレは仕事柄たくさんのアーティストや建築家と付き合いがありました。
そんな中で知り合いではなかったアールトに設計を依頼したのは、自然と共に過ごすというテーマやアートとの向き合い方に、彼と自分との共通点を見出したからだそうです。
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こちらのリビングの為にデザインされたマット |
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プライベート空間と、公的空間を分ける圧迫感のない扉 |
計画は3年もの年月をかけてじっくり進められ、完成後は当初の予定通り顧客、デュシャンやミロといったアーティスト、小説家、著名人などを招待してコレクションを堪能しながら交流を深めたそうです。
ギャラリストとして、まさに理想的な生活です。
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庭には各居室からアクセス可 |
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パーティーにも利用された庭 |
そしてカレの死後も夫人は亡くなるまで住み続け、ピカソなどの大事な美術品を手放してもここの土地・家は手放しませんでした。
とても強い思い入れがあったのでしょう。
現在はフランスのアールト財団が修復を続けながら公開・管理をしており、撮影やレセプションへの貸し出し、展覧会の開催などにも対応しています。
庭との関係(自然との関係)、部屋の取り方、家具・照明・テキスタイルのデザインに至るまで気を配ったとても完成度の高い建物です。
その素晴らしさを理解した上で、‘しょうがない’と分かりながら私は寂しさを感じました。
と言うのも、この建物にはコレクションを展示するという大事な役割があり、そのコレクションに合わせて壁のサイズ、位置なども決めていたはずです。
その肝心な作品が無いとちょっと間が抜けるというか、痛々しいというか、
"着るべき服を着ていない姿を見てしまった(!)"
という感じでしょうか(^_^;)
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ほぼ何も掛けられていないリビングの壁 |
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ここが一番寂しい。玄関ホールの壁 |
そんな中、良く知るギャラリーのポスターを見つけ、ルイ・カレをぐっと身近に感じる事が出来ました(*^^*)
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レジェの作品展示を日本で開催した時のポスター |
予約にて見学が可能です。
ルイ・カレ邸(Maison Louis Carrē)