【建築巡礼ー10:シャトー・ラ・コストChâteau-La-Coste】

シャトー・ラ・コスト Château-La-Coste 、アートと建築とワインが結びついた場所。
敷地内に入りブドウ畑を眺める
南仏エクス・アン・プロヴァンスの傍、ル・ピュイ=サント=レパラード Le Puy-Sainte-Réparadeにあり75,000人が毎年訪れています。
ワイン畑や野菜畑を含む200haの広大な土地に、世界中から招かれた現代美術家の作品と建築家の作品が点在している、言わば野外美術館です
2011年より有料で公開されています。
Layrence NeufeldによるDonegal,2013
ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois、リチャード・セラ Richard Serra、宮島達男などそうそうたるメンバーの作品を、アップダウンのある豊かな自然の中で堪能出来ます。
ゆっくり歩いて2時間程で、ガイドツアーもあります。
程よい疲れを感じたら、敷地内のレストランで今見て来た畑のワインを頂き、美味しい食事と共に空腹を満たせます。
正に至れり尽くせりです。
と同時に、単にワイン畑を見せる・試飲・販売という従来の方法にアートを加えプラス収入も得る、というビジネス的にも優れたシステムです(*^^*)

この夏(2016年夏)から一部プール付きのヴィラがオープンして滞在も出来る様になりました。
 
その他、イレギュラーでコンサートが開かれたり、屋外で映画が上映されたりとイベントも盛りだくさんです。
コンサートも開かれる、フランク・ゲーリーによるPavillon de Musique,2008
音楽棟 Pavillon de Musique,2008に関しては【建築巡礼-3:フランク・ゲーリーの建築】でも触れています。
 
敷地内に入って、まず私たちを迎えてくれるのがアートセンターCentre d'art,2011 です。
こちらは安藤忠雄によるもので、ミュージアムショップ兼インフォメーションセンター兼カフェ・レストランの役割を果たしています。
安藤忠雄によるCentre d'art,2011 、彫刻は杉本博司

Vの字の建物はVigne(ブドウの木)の頭文字Vを象っています。
入口側の水面に設置されているのがルイーズ・ブルジョワの Crouching Spider,2003で、モノトーンの世界です。

Louise Bourgeois の Crouching Spider,2003
そして同じ建物の奥、敷地内を堪能した後に目にする位置にあるのがアレクサンダー・カルダー Alexander Calder の Small Crinkly,1976 で、色鮮やかな世界です。
Alexander Calder の Small Crinkly,1976
私はこの設置の仕方に
『訪れた時の心が暗くても、ここを訪れれば必ず帰る時には明るい気持ちになれる』
というメッセージを感じました。
また、ルイーズ・ブルジョワの作品 Crouching Spider(クモ)は、害虫を食べてくれる益虫として、ここで実践しているビオディナミを象徴しているのかもしれません。

オーナーで建築好きな現代美術コレクター、実業家のパトリック・ムキレンPatrick McKillen氏は、日本の瀬戸内海の島〈直島〉を訪れた際、自然とアートと建築の融合に感動してここの着想を得たそうです。
日本のアートプロジェクトがきっかけになったとは、なんとも嬉しいお話です。
その後、彼は世界中で相応しい土地を探し、2003年にこの地を購入しました。

ブドウの栽培・管理はその道のプロであるマチューコスMatthieu Cosseに委ね、2009年にはビオワインを作れる様になり、現在ではグランクリューにも格付けされています。

ここで最も大事なワイン醸造所Cuverie,2008はジャン・ヌーベル Jean Nouvel によるものでアルミニウム製です。
向こう側のかまぼこ型の建物がジャン・ヌーベルJean Nouvelによるワイン醸造所Cuverie,2008
また、畑や敷地内のデザインはパリのチュイルリー公園も手掛けたルイ・ベンシュLouis Benechが担当しています。

訪問した時は3月だったので景色的にはちょっと寂しかったですが、緑豊かな季節だと青々してかなり美しい所だと思います。

制作中の作品もあり、建築もレンゾ・ピアノや隈研吾に依頼中のものもあるとかで、まだまだここから目が離せません。
 

木々の向こうの石垣のようなものがAndy GoldsworthyによるOak Room,2009 中は不思議な世界
http://chateau-la-coste.com/

長らくお付き合いありがとうございました。
いつも気ままな一人旅ですが、今回は初めてツアーに参加しました。
【コルビジェ巡礼ー1~7】【建築巡礼ー1~10】は、
株式会社 トラベルプラン「ヨーロッパ縦断 建築ツアー~ル・コルビジェを巡る旅~*ナビゲーター:高田典夫」に参加して体験してきたものです。

ご一緒した皆さま、大変お世話になりました。
専門分野により観る視点が違う、というのも新鮮な驚きで楽しく充実した旅でした。
まだまだ復習しきれていない状態です。

という訳で、次回はおまけの番外編です。

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