【建築巡礼ー8:Gare Belfort-Montbéliard TGV】

旅にはつきものの空港や駅は、必ず使用する大事な所なので妙に印象に残ったり思い出の大事な1ページになったりします。
今回の旅ではあまり電車は使用しなかったのですが、気になる駅がありました。
フランスのフランシュ・コンテ地方テリトワール・ド・ベルフォール県のGare Belfort-Montbéliard ベルフォール‐モンベリアール駅です。
入口からまっすぐ進んだところ
入口からまっすぐに広がる大きな空間と突き当り一面のガラス、そして大きなテーブルで飲み物を取りながらくつろぐ人達、その様子はまるでスキー場のレストハウスの様です。
それもそのはず、この地方は自然に恵まれた山岳地帯で冬はスキーも盛んです。
林業が盛んな地域らしく木材を多用しているこの建物に興味を持ち、帰国後少し調べてみました。
 
2011年の12月開業の新しい駅です。
*2012年には、フランスの70の駅でフランス国鉄が行ったアンケートで最もお客様を満足させる駅に選ばれています。
カフェスペースを別の角度から
 
天井も‘木’
ホームに向かうウッドデッキの様なスロープ
大きな孤を描いていくスロープはまるで空港の様でダイナミック
建物はフランス国鉄SNCFの子会社AREPによるものです。
AREPは、駅などのたくさんの人が交差する場所を専門に手掛けている会社で、建築家の他エンジニア、デザイナーなど様々な専門家の集団です。
主要メンバーはジョン=マリー・デュティヨール Jean-Marie Duthilleul とエティエンヌ・トュリコウ Étienne Tricaud で、このプロジェクトにはFrançois Bonnefille、Fabienne Couvert、 Jean François Blasseel も参加していました。

*彼らは他にアヴィニョンTGV駅(2001)、エクス・アン・プロヴァンスTGV駅(2001)など多数の駅、駅以外では北京のMusée de la capitale 首都博物館(2005)、ホーチミンのTour financière Bitexco ビテクスコ・フィナンシャルタワー(2010)などにも携わっています。
エスカレーターはさすがに‘木’というわけにはいかない・・・
インタビューで、彼らは
駅は交通にとって必要な場所であるだけでなく、買い物をしたり、飲食をしたりと、その地域の人とのコミュニケーションの場でもあるのだから地域を象徴する場所でなくてはならない’
と話していました。

そう言えば以前、今思えば同じ彼らが手掛けたアヴィニョン(TGV)駅を利用した際、その駅が醸し出す南仏のリゾート地らしいリュクス感にときめいた事を思い出しました。
ようこそ!と迎え入れてくれる雰囲気に、
‘来てよかったな~また来たいな~’と感じた記憶があります。

以下の写真はアヴィニョン(TGV)駅です。
同じところが手掛けていますが、立地が違うので建物も似ている様でだいぶ違うと思います。
片面がガラス面のアヴィニョンTGV駅
手法は似ていますがこちらは南仏らしい明るい白で、船底型です。
電車を待つスペース椅子とテーブル、テーブルにはランプの様な照明がありちょっと居間の様な雰囲気
移動の要となる所が素敵だと気持ちが上がりますね。
外国には空港といい駅といい、わくわくするデザインの所が多い気がします。
日本はどうかな?


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