『ジュリア・マーガレット・キャメロン展』を観て
中庭から入る三菱一号館美術館 |
写真の技術が確立して間もない1863年より撮影を始めた彼女の写真からは記録ではなく、独特の世界を感じます。
実在の人物をモデルに寓意的な主題や歴史的人物を撮影し、その行為は不自然で人為的だと同時代の人々に揶揄されました。
「修道士ロレンスとジュリエット」1865年 |
彼女は何をしたかったのでしょうか?何を求めていたのでしょうか?
考えなら鑑賞を進めました。
そして辿り着いた私の答えは
考えなら鑑賞を進めました。
そして辿り着いた私の答えは
「彼女は絵を描きたかったのでは?」
です。
です。
幼い頃より絵画に親しみ、教養もあった彼女が子育てを終えて手にした「カメラ」は、自分の頭の中に湧き上がってくる構図や世界を描き出すのに好都合な道具だったのでは?
カメラがあればデッサンの修行をしなくても、協力してくれるモデルと共に自分の中に湧き上がる世界を描き出せる。
彼女にとって、カメラはまさに魔法の道具だったのではないでしょうか?
現代美術では写真を表現手段の1つとして使用しますが、あの時代、写真機というものが生まれて間もない頃にそれを実行に移したのはとても型破りな行動です。
女性独特の概念にとらわれない大胆さゆえ、とも言えるかもしれません。
とは言え、当時の写真撮影や現像はとても重労働だったので、彼女の並外れたバイタリティーがあったからこそなのは間違いありません。
人がやっていない突拍子もない程の事をやるといつの時代でも批判にさらされるのですね^^;
建物自体が門の様なブリックススクエアアネックス、美術館に通じる奥の中庭は憩いの場 |