東京都美術館にて「木々との対話」を観て

東京都美術館で開催中の
「木々との対話ー再生をめぐる5つの風景」を観てきました。
とてもいい企画展でした。

この企画展は開館90周年の記念展で、上野のにある美術館としてという素材とその奥深さに注目したもので、出品作家を思い切って5名に絞っていたのも良かったと思います。

会場に入ると、8000本の木と陶ブロックで組み立てた國安孝昌(くにやすたかまさ)さんの大作が目に飛び込んできます。
凄い迫力です。
國安孝昌さんの新作〈CHI VA PIANO VA LONTANO〉
尚、こちらの製作風景はロビー階の「木々のアトリエ」で、制作過程の写真と実際に使った材料の展示で紹介されています。
写真で15日に渡る制作過程を紹介
使われたのはこちら、杉の間伐材と陶ブロック
*「木々のアトリエ」にはその他、一般に木彫で使われている木の大量なサンプルがあり、手で触れて木肌を確認する事が出来ます。

國安さんの作品と真逆の力で迫ってくるのが、須田悦弘(すだよしひろ)さんの作品です。
須田悦弘さんの作品、会場でひっそりと咲くユリ
アートラウンジでは開館当初から使われている展示ケースの中に展示されている
須田さんの作品は「情報室」や「アートラウンジ」にも展示してあり、お宝さがしの様に館内をめぐる楽しさがあります。
 
また、別室に展開する土屋仁応(つちやよしまさ)さんの作品群は木なのにちょっと見ただけでは木に見えません。
題材は古典的なのにどこか未来的で独特の世界を展開しています。

作品を覗きこんだ人から「わぁ~」という静かなため息が聞こえる土屋さんの展示室

 船越桂(ふなこしかつら)さんの作品は相変わらず素敵で
撮影不可だったのでポスターより

田窪恭治(たくぼきょうじ)さんの作品は、会場での旧作展示の他、新作が屋外にあります。
東京大空襲で被災した美術館が建つ前からそこにいた樹齢400年のイチョウの木と、ここで作られた彼の新作とのコラボです。
〈感覚細胞ー2016・イチョウ〉
出品作家のトークや学芸員によるギャラリートークなど関連プログラムも充実しているのでお勧めです。
10月2日まで。
今回の企画展では出品作家ごとにポスターを製作した様で、ロビー階に点在していて全種類見られる

東京都美術館「木々との対話」

 

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