【コルビジェ巡礼ー4 : マルセイユのユニテ・ダビタシオン】

ユニテ・ダビタシオン(Unite d'abitation,Marseille 1945-52)

マルセイユにある集合住宅
第二次大戦後、フランスでコルビジェが初めて請け負った公共事業。
長さ137m、幅24m、高さ56m、18階(日本の数え方)、全337戸の建物が緑豊かな敷地に建っています。

現在も修繕しながら当時の姿を残し、使い続けられています。
建物全体を「町」ととらえており、共用廊下は「通り」という認識です。
この建物での数え方で3階(日本の数え方で7階)に店舗が入り、現在は空き室対策から一部がホテルになっています。
最上階には幼稚園、屋上には幼児の為のプールや簡単なイベントを開催できる舞台、庭があります。
共用部廊下。少し暗いがカラフルで楽しい。
[住居]
住居は基本いわゆるメゾネット形式の間取りで作り付けの収納家具にも様々な工夫が施されています。

共用部に建物の案内として張ってあった図面
リビングの吹き抜けには高さがあり、全面ガラスに開放感があります。東西に窓があるので、ドアを開け放つと風が部屋を走り抜けます。
リビングの吹き抜けは高さがあり、全面ガラスに開放感がある
メゾネット上部に上がる階段は、上り下りしやすい様に台形で、長い底辺が手前になっている
面白いのは外装は公共に属し、内装はプライベートである、という考え方です。
分譲住宅であるにも関わらず、テラスの外壁の色は変えられません。
でも内装は、例えそれがオリジナルの棚であっても自分好みの色に変えられます。
見学した家のマダムは棚をグレーに変えていました。
赤・黄は変えられない
本来カラフルだった作り付けの棚はグレーに
ライトや作り付けの棚などはシャルロット・ぺリアンジャン・プルーヴェと共に制作されました。 
現在も大事に使い続けられているシャルロット・ぺリアンのライト
共用部にある渦巻き型のオブジェはオリジナルのライト
庭にもオリジナルライト

エントランス、ホテル、ショップ、屋上などについては、【アート通信-3】-マルセイユの集合住宅ーで触れます。 

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