マチスの教会‘Chapelle du Rosaire(ロザリオ礼拝堂)’

 

以前、マチス美術館をご紹介いたしましたが、そのマチスが手がけた教会がVence(ヴァンス)にあります。
正式名称は‘ Chapelle du Rosaire(ロザリオ礼拝堂)ですが、案内板などは Chapelle de Matisse’(マチスの教会)となっています。

ヴァンスへの行き方は、ルノワール美術館のところでも書きましたが、ニースからは、長距離バスターミナルから400番のバスで1時間ぐらいです。
(ニースはフランス南部で、地中海に面していますが、そのニースから海沿いを西へ、アンティーヴの方に向かいます。途中で北に少し上がった所がカーニュ・シュル・メールで、そこを通り過ごしてもうちょっと北へ山を登っていくとヴァンスに出ます。)
さて、‘Chapelle du Rosaire(ロザリオ礼拝堂)’への行き方ですが、終点の‘Vence gare routière’(ヴァンス長距離バスターミナル)で降ります。
降りたら広場の向こう側、北側の方に渡ります。
Chapelle de Matisse’の標識がありますので、それに従って‘Avenue Henri Matisse’を歩いて行って下さい。
途中長い橋を渡ります。


この橋を渡っていく人はほとんどがマチスの教会に行く人です。トータル20分は歩きます。
*教会には昼休みや午後しか公開してない日があるので注意が必要です。
水・土 14h00~17h30(冬は~16h30),  火・木 ・金10h00~11h30と14h00~17h30(冬は~16h30)


教会の入り口付近です。
内部は撮影禁止だったのですが、このちんまりした入り口を入り、階段を下りていった先に広がる教会内部には、黄色・緑・ブルーのステンドグラスからの光があふれ、白い壁にのびのび絵が描かれています。燭台なども彼のデザインです。
もう死が迫っている彼は
「神様どうか、後もう少し、私に命を下さい。やり遂げねばならない仕事があります。」と懇願したといいます。
でもその教会に、悲壮感はまったくなく、のびやかな自由と、おおらかな愛に満ちています。
そして彼も後に、「この礼拝堂は私の為のもの、生涯かけた仕事の結晶だ。」と言っています。
教会を出てそのまま階上には上がらず、細い通路を抜けると、小さな展示スペースがあり、彼がデザインした司祭服などが展示されています。
気づかずに帰ってしまいそうになるので気をつけて!
私も危うく帰りそうになり、係りのマダムに「ちょっとあなたあっちは見たの?」と聞かれて気づきました。

一時ヴァンスは観光客が多く、ご近所のSt-Paul de Vence(サン・ポール・ド・ヴァンス)の方が静かでいい!という時代があったようですが、私は逆に、サン・ポール・ド・ヴァンスは観光客が多く、ヴァンスの方がそれも少なく、静かで落ち着いた町だと感じました。(サン・ポール・ド・ヴァンスについては後日書きます。)

詳しい情報はこちらからどうぞ

次回は同じヴァンスのChâteau de Villeneuve(ヴィルヌーヴ城)です。


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