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【アート通信ー83:「富山県美術館」】

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 83回目のアート通信は、富山県富山市にある「富山県美術館」からです。 富山県美術館は、アートとデザインをつなぐ美術館として2017年に富岩運河環水公園内にオープンしました。前身は富山県立近代美術館で、20世紀美術の他、椅子、ポスターのコレクションが充実しています。 「オノマトペの屋上」右後ろの白い作品は「ふわふわ」 お薦めはなんと言っても屋上庭園。「オノマトペの屋上」には、《ひそひそ》《うとうと》などオノマトペをモチーフにした遊具が8つ設置されており、これが楽しい! ハンモックで昼寝も出来る「うとうと」 遮るものが何もない開放的な空間で、気がつけば大人も子供も夢中になって遊んでいます。 周るブランコ「ぐるぐる」 ベンチもあり、周囲の絶景を堪能しながらゆっくり過ごせますが、遮るものがないという事は、日差しも遮らない!熱射病には気をつけて。 遊具のデザインはすべて、商品デザイン・広告デザインで有名な佐藤卓氏(1955-)です。 そしてこちらはなんと、美術館休館日も利用可能! 体の動きに反応してデザインが生まれる 美術館内では、展示スペース以外にも、体の動きでアートが作り出される「インタラクティブアート」を体験できるなど、子どもも楽しめるスペースが充実しており、全体として、ファミリーに優しい美術館、と言う印象を受けました。 レストランも可愛らしい 館内より見える 富岩運河環水公園の景色 内藤廣氏(1950-) 設計の建物は外観も素敵ですが、階段周りの大きな吹き抜け空間はスコンと抜けて気持ちよく、壁一面の大きなガラス窓から飛び込んでくる景色はまるで北欧の景色のよう。 スタッフのユニホームは三宅一生氏(1938-2022)によるもので、まさにアートとデザインが出会う美術館です! 「富岩運河環水公園」 富山美術館へは、富山駅からこの美しい富岩運河環水公園を通って、徒歩15分ほど。 「富岩運河環水公園」では、冬場を除いて水上散歩も出来ます。 展覧会などの詳しい情報は、HPでご確認下さい。 富山美術館 富岩水上ライン

【アート通信ー82:「神奈川県立近代美術館 葉山館」】

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 82回目のアート通信は、「神奈川県立近代美術館 葉山館」からです。 「神奈川県立近代美術館 葉山館」正面 「神奈川県立近代美術館 葉山館」 は、 「神奈川県立近代美術館」「神奈川県立近代美術館 鎌倉別館」 に次ぐ、3番目の美術館として2003年に開館しました。 ところで、 「神奈川県立近代美術館」 は、日本で最初の公立近代美術館として、1951年に鎌倉市の鶴岡八幡宮敷地内に開館しましたが、鶴岡八幡宮と神奈川県との借地契約期間満了に伴い、2016年に惜しまれつつ 閉館しました。 そのコレクションは、「 鎌倉別館」と「葉山館」の2館に受け継がれています。特に、野外彫刻や喫茶室の壁画は「葉山館」に移動した為、 「神奈川県立近代美術館 葉山館」は当時の面影をより強く感じられる美術館 となっています。 2016年に閉館した「神奈川県立近代美術館」 ちなみに、坂倉準三氏による神奈川県立近代美術館の建物は、まるで池に浮かんでいるかのような魅力があり、とても人気がありました。現在は神奈川県指定文化財に指定され、改修工事を経て鶴岡八幡宮の運営・管理の元、「鎌倉文華館  鶴岡ミュージアム」として利用されています。 イサム・ノグチ「こけし」(1951) 「神奈川県立近代美術館 葉山館」のエントラス広場では、懐かしいイサム・ノグチ氏の彫刻「こけし」が私たちを迎えてくれます!鎌倉の美術館では中庭に設置されていた子達です。 他の彫刻達にも庭園を散歩しながら出会えますよ! 便利な彫刻マップ!美術館で貰える 保田春彦「地平の幕舎」(1993) マップ片手に美術館の周りをぐるっと周ると、豊かな自然や富士山の絶景と共に、21点の屋外彫刻に出会えます。アートだけではなく、見事な眺望を楽しめるのも嬉しいところ! 富士山の眺望はレストランからも! 盛り付けも美しい一皿 庭園の散策やレストラン「オランジュ・ブルー」は、鑑賞券がなくても利用出来ます。海の近くだけあって、美味しい魚料理は特にお薦め! 散策路からは絶景も望める 葉山館の魅力はその立地によるところも大きいでしょう。豊かな自然に恵まれた庭園を散歩しながらアートと親しんだり、絶景を堪能しながらレストランで食事をしたり、また美術館の脇道からは、海岸にも出られます。 脇道からすぐの「 一色海岸」 館内は撮影禁止なので、景色の紹介の様になっ...

【アート通信ー81:「天王洲アートフェスティバル2022」】

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 81回目のアート通信は、東京都品川区の天王洲アイルからです。 天王洲アイル、 第二水辺広場(ボードウォーク)付近 天王洲アイルは、江戸時代に東京湾に築かれた第4台場を埋め立てた約20平方メートルの島です。1980年以前は倉庫や物流センターが立ち並ぶ地域でしたが、1990年代より再開発が進み、2000年以降はオフィスビル、高層マンションの建設が相次ぎました。 2010年代からは芸術文化の発信地と位置付けられ、さまざまなイベントが開催されています。『 天王洲アートフェスティバル』 は、2019年より毎年開催されており、運河沿いの建物や公共施設での壁絵や、桟橋空間での立体作品などのストリートアートを、街を歩きながら楽しめるイベントです。 ARYZ「"The Shamisen" Shinagawa2019」(2019) 例えば、こちらは遠くからも目に入る巨大壁画で、浮世絵を題材にした作品です。 DIEGO「東京/天王洲」(2019) 他にも、通りを歩いていくと様々なところでアートに出会います。 吉野もも「巡り循る」(2020) こちらは、旧品川清掃作業所で、現在はパラスポーツやアート活動に利用されている品川区の施設「アイルしながわ」です。シャッターには、吉野氏によるアートが。そしてこのシャッターが開くと・・・。 吉野もも「巡り循る」(2020) このようになります。 写真では分かりにくいですが、内部の壁やシャッターにも様々なアーティストがアートを施しており、かなり賑やか! 今年の『天王洲アートフェスティバル2022 』 は10月10日から12月31日まで開催。今年新たに加えられた作品は12点で、前回までの展示も含めると24点。期間後も継続して展示される作品もあるので、会期後も楽しめますよ。 松下徹「Sleeping City」(2020)より アートは、最寄り駅、東京モノレール天王洲アイル駅の構内から既に始まっています!上の写真は松下氏による壁絵で、日常の様々なモチーフが改札から外に出る通路に描かれています。 江藤雄造「金魚が泳ぐホテル」(2022) また、駅隣接のホテル、『第一ホテル東京シーフォート 』 では、 床に 金魚が! これは今年参加の 漆芸家、 江藤氏による試みで、この金魚は今後も増殖していく予定だとか。 Lucas Dupuy「Looki...

【アート通信ー80:「クルックフィールズ」】

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第80回目のアート通信は、千葉県木更津市にオープンした「クルックフィールズ」からです。 ここは自然・食・アートをテーマにしている複合施設で宿泊もできます。 千葉県木更津市 「クルックフィールズ」の敷地ー1 30ヘクタールにも及ぶすり鉢状の敷地では、太陽光発電、排水の浄化、ゴミの堆肥化など、サスティナブルな世界が展開しています。 と言うと堅苦しですが、ここは、安全な自然のもと、動物と触れ合い、美味しいものを食べ、アートとも仲良くなれる楽しいところですよ! では、その楽しさを少しずつご紹介していきましょう。 :農業 ブラウンスイス牛の牛舎、良いお顔! ここでは、有機農業、養鶏、酪農も行われています。そして作られたものは、出荷されると共に、こちらの施設でも使用されています。 また来場者向けに収穫体験や、放牧しているブラウンスイス牛の見学、小ヤギ、子ヒツジとの触れ合いタイムなどもあります。 :食べる 藤原徹平さん設計によるダイニング(レストラン) 施設内の食の施設には、レストラン「ダイニング」、ベーカリー「ランカ」、野趣溢れる食を提供する「 シャルキュトリー」、ソフトクリームなどミルクそのもののおいしさを表現した「ミルクスタンド」、シフォンケーキの「シフォン」があります。 同じく藤原徹平さん設計による「シャルキュトリー」 そして「ダイニング」で使われるのは、ここで育てられた野菜、ハーブ、卵です。牛乳やチーズもここの牛さんから! 「 シャルキュトリー」では、 木更津の野生動物にここで採れた野菜・ハーブを混ぜたソーセージなどが販売されています。また、猪バーガー、鹿肉のスープなどもあり、それは細胞に生命のエネルギーがジュワッと沁みていくような美味しさです! シフォンハウスでは、左官職人、久住有生氏による壁面も注目! こちらのシフォン型の建物、 シフォンハウスも藤原徹平さんによる設計ですが、 久住有生氏による美しい壁面にも注目です。写真は内壁ですが、外壁はまるでクリームを塗ったかのような質感! クルックフィールズで採れる卵、牛乳を使用したシフォンケーキの他、プリンやフィナンシェも人気です。 テーブルや椅子はいろんなところに置かれており、自由に利用できる :遊ぶ 長〜い滑り台! こんな大きなブランコ、大人だって乗ってみたい! 敷地内には地形を生かした滑り台などの遊び場、巨大な竹のブラ...

【アート通信ー79:「静嘉堂@丸の内」】

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 79回目のアート通信は、10月1日に東京・丸の内にオープンした「静嘉堂@丸の内」からです。 入り口は「丸の内MY PLAZA」の1階 世田谷区の静嘉堂文庫美術館の展示スペースが東京・丸の内に移転し、名称も新たに「静嘉堂@丸の内」となりました。現在、「響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやきー」展が12月18日まで開催されています。場所は重要文化財でもある明治生命館の1階です。 また、世田谷の静嘉堂文庫美術館は、ここでの展示は無くなりますが、作品・書籍の保管管理、研究閲覧の場にとして今後も機能していくとの事。 国宝『倭漢朗詠抄 大田切』(11世紀) 静嘉堂文庫美術館のコレクションは、東洋古美術中心に絵画、彫刻、工芸、刀剣など国宝7点、重要文化財84点を含む6500点の作品と、約20万冊の古典書からなります。そのすべては、三菱第二代社長、岩崎彌之助氏(1851-1908)とその息子で三菱第四代社長、岩崎小彌太氏(1879-1945)によって集められたもの! 世界に3点しか現存しない国宝『曜変天目』(12〜13世紀) オープニングとなる今回の展示は、国宝7点、重要文化財10点を含むという贅沢なラインナップ。また、国宝などの指定のない作品にも素晴らしいものが多いので、充実した解説と共に、落ち着いた環境でゆっくり楽しめるでしょう。 当時の姿を残している「静嘉堂@丸の内」 ロビー、ホワイエ それに加え、岡田信一郎氏(1883-1932)設計による建物、明治生命館(1934年竣工)も見応えがあります。国の重要文化財である建物と展示を同時に楽しめるのは嬉しいいですね。 建物の見どころは自然光が入るホワイエだけでなく、そこを囲む様に設けられた展示室も。例えば、 第2展示室にあるかつてのエレベーター 第3展示室から第4展示室に向かうアーチ型の入り口 様々なオリジナルグッズが揃っているミュージアムショップもお忘れなく!中でもプレス発表会で人気だったのがこちら。 『曜変天目』5800円?! 国宝の『曜変天目』を5800円で買えるの?!と一瞬、驚いてしまう程良く出来ています。手にとって味わって欲しい、という思いから生まれたそうで、5800円を高いと思うか安いと思うかはその人次第。 床の間に飾る?それとも使う? 玄関に置いて鍵入れにしたら?と誰かが言っていました。それもありかも。 あるいは...

【アート通信ー78:「原美術館ARC」】

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78回目のアート通信は、「原美術館ARC」からです。JR上越線の渋川駅から、伊香保温泉行きバスで15分のところにあります。 こちらは「ハラ ミュージアム アーク」が2021年に名称を改め、「原美術館ARC」となりました。 「ハラ ミュージアム アーク」は、もともと「原美術館」の所蔵庫も兼ねた別館でした。2021年に「原美術館」が建物老朽化により閉館し、その所蔵品を可能な限り継承し、名称も改に再オープンしたのが「原美術館ARC」です。 豊かな自然の中に突如現れる展示室 酪農場で見かけるサイロをの様な三角屋根の建物。設計は磯崎新氏 (1931-)です。 低層の建物は長閑な景色に馴染んでいるようでもあり、黒い色調のシャープなデザインは、それを拒否しているようでもあります。 敷地内にはカフェもある 一部の屋外作品は隣の「グリーン牧場」内に設置 アンディ・ウォホール(1928-1987)、ジャン=ミシェル・オトニエル(1964-)、宮脇愛子(1929-2014)などによるの屋外作品も20点あるので、作品鑑賞しながらの散歩、または敷地内のカフェでまったり過ごすのもお薦めです。 草間彌生「ミラーボール(かぼちゃ)」1991/1992 、 美術館リーフレットより 館内は撮影禁止なので写真での個々の作品紹介は出来ませんが、草間弥生(1929-)、奈良美智(1959-)、森村泰正(1951-)、芋束(1975-)といった有名どころの常設展示もあり、必見です! 鈴木康弘「日本列島のベンチ」2014/2021 展示室を結ぶ通路に設置されたこちらの作品は、 鈴木康弘(1979-)による「日本列島のベンチ」です。渋川市が日本のヘソである事と、この作品設置場所が美術館の中心である事も兼ね合わせているユニークな作品です。 觀海庵(かんかいあん)への通路から望む景色 また、2008年に新しく増設された特別展示室「 觀海庵(かんかいあん) 」へ向かう、まるで自然を切り取った様な美しい景色は、高級温泉旅館からのそれのようで癒されます。 被曝柿の木2世 2005年5月14日植樹 そしてこちらの木は、1945年8月に長崎で被曝しながら奇跡的に生き残った柿の木の種子から生まれた「被曝柿の木2世」。 『時の蘇生』柿の木プロジェクトによるもので、現代美術家も宮島達夫氏の呼びかけもあり、現在は23カ国250ヶ所以上...