【アート通信ー80:「クルックフィールズ」】
第80回目のアート通信は、千葉県木更津市にオープンした「クルックフィールズ」からです。
ここは自然・食・アートをテーマにしている複合施設で宿泊もできます。
千葉県木更津市「クルックフィールズ」の敷地ー1 |
30ヘクタールにも及ぶすり鉢状の敷地では、太陽光発電、排水の浄化、ゴミの堆肥化など、サスティナブルな世界が展開しています。
と言うと堅苦しですが、ここは、安全な自然のもと、動物と触れ合い、美味しいものを食べ、アートとも仲良くなれる楽しいところですよ!
施設内の食の施設には、レストラン「ダイニング」、ベーカリー「ランカ」、野趣溢れる食を提供する「シャルキュトリー」、ソフトクリームなどミルクそのもののおいしさを表現した「ミルクスタンド」、シフォンケーキの「シフォン」があります。
:遊ぶ
いかがでしたか?
では、その楽しさを少しずつご紹介していきましょう。
:農業
ブラウンスイス牛の牛舎、良いお顔! |
ここでは、有機農業、養鶏、酪農も行われています。そして作られたものは、出荷されると共に、こちらの施設でも使用されています。
また来場者向けに収穫体験や、放牧しているブラウンスイス牛の見学、小ヤギ、子ヒツジとの触れ合いタイムなどもあります。
:食べる
藤原徹平さん設計によるダイニング(レストラン) |
同じく藤原徹平さん設計による「シャルキュトリー」 |
そして「ダイニング」で使われるのは、ここで育てられた野菜、ハーブ、卵です。牛乳やチーズもここの牛さんから!
「シャルキュトリー」では、木更津の野生動物にここで採れた野菜・ハーブを混ぜたソーセージなどが販売されています。また、猪バーガー、鹿肉のスープなどもあり、それは細胞に生命のエネルギーがジュワッと沁みていくような美味しさです!
シフォンハウスでは、左官職人、久住有生氏による壁面も注目! |
こちらのシフォン型の建物、シフォンハウスも藤原徹平さんによる設計ですが、久住有生氏による美しい壁面にも注目です。写真は内壁ですが、外壁はまるでクリームを塗ったかのような質感!
クルックフィールズで採れる卵、牛乳を使用したシフォンケーキの他、プリンやフィナンシェも人気です。
テーブルや椅子はいろんなところに置かれており、自由に利用できる |
こんな大きなブランコ、大人だって乗ってみたい! |
敷地内には地形を生かした滑り台などの遊び場、巨大な竹のブランコ、アンティークのスクールバスを改造した遊び場など、ユニークな遊び場が沢山!
:アート
アートが点在しているのもここの特徴です。
散歩しながら、草間弥生氏(1929-)、増田セバスチャン氏(1970-)、カミーユ・アンロ氏(1978-)、Chim↑Pom from Smappa!Group、ファブリス・イベール氏(1961-)の作品を楽しめます。
草間弥生「新たなる空間への道標」(2016) |
一眼でそれとわかる、草間氏の水玉模様の作品「新たなる空間への道標」からは、楽しさとキノコのような力強い生命力を感じますね。
増田セバスチャン「ぽっかりあいた穴の秘密」(2019-2020) |
こちらは、きゃりーぱみゅぱみゅさんのミュージックビデオなどでも知られ、原宿Kawaii文化の創始者とも言われている、増田セバスチャン氏の作品「ぽっかりあいた穴の秘密」。
増田セバスチャン「ぽっかりあいた穴の秘密」(2019-2020) 内部 |
内部では、外観とは真逆のキラキラの世界が!
:泊まる
こちらは、かわいい小屋のような家が並ぶ「タイニーハウスビレッジ」。広さや内装がそれぞれ少しずつ違います。
ここに宿泊して綺麗な星空を眺めたり、バーベキューをしたらきっと素敵な思い出になるでしょう。専用のバーベキューハウスやテントもあり、調理に必要なものも揃えてもらえます。
「タイニーハウスビレッジ」と比べるとよりホテルに近い感じですが、ここで採れた野菜などを使って自分たちで調理するなど、ここならではのプログラムも用意されています。
千葉県木更津市「クルックフィールズ」の敷地2 |
クルックフィールズでは、耳を澄ますと心地よい音楽がフワッと聞こえてきます。それもそのはず、ここの綜合プロデューサーは、音楽プロデューサーの小林武史氏なんです。氏は、2001年のニューヨーク同時多発テロをきっかけに、「循環」という事を意識するようになったそうです。そして2010年よりこの地で準備を進めてきたとか。これからも変化、成長をしていきそうなところで、今後も楽しみです。