今回は、アート通信ー15として渋谷の通称:青山
キラー通りに面した私設美術館「ワタリウム美術館」をご紹介します。
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2013年に開催されたフランス人アーティスト、ジェイアール(1983~)の個展「JR Couid art change the worid?」の作品が残る建物外観
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1990年より意欲的に国際レベルの現代美術をいち早く紹介し続けている美術館で、企画展の切り口の斬新さや考察の深さには定評があります。
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三角形の敷地に建つ個性的な建物はスイスの建築家マリオ・ボッタのよるもの |
この美術館の特徴は、私設美術館の利点を生かしたどちらかと言えばマニアックな企画展と「庭園倶楽部」などの独自の文化活動、そしてなんといっても美術館としては決して広くない敷地をうまく使いこなしている、スイスの建築家マリオ・ボッタ(1943年~)による建物にあります。マリオ・ボッタの作品が観られるのは日本ではここだけです。吹き抜け空間や外階段などを巧みに利用して、迷路の様なユニークな展示スペースは一見の価値があります。
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外階段から望む街の眺望は、普段目にしない角度からなので新鮮! |
5階建ての2階から4階が展示スペースで、一部は外階段での移動が可能です。地下には珍しいアート本・アートグッズを扱うミュージアムショプ&カフェがあります。
そして 美術館向かいの建物には、以前描いてもらったキース・へリング(1958-1990)による壁画(ジェイアールの作品もプラスされている)が残っているのでお見逃しなく!
入場券には、一度購入すると会期中何回でも使えるシステムもあるので、近くをよく通る人は時間が空いた時の気分転換に利用するのもいいですね。
*ワタリウムという名前の由来は館長の名字:和多利からきています。
おまけの情報です
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道路を挟んで「塔の家」を観る
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美術館の前の通りを千駄ヶ谷方面に少し進んだ所に、「塔の家」と呼ばれる6坪弱の敷地に建つ一戸建て住宅があります(渋谷区神宮前3丁目)。こちらは建築家、東孝光氏(1933-2015)が自宅兼事務所として1966年に建てたもので現在も現役です。
<日本におけるDOCOMOMO100選>にも選ばれています。
外観のみに鑑賞となりますがワタリウム美術館を訪れたら一緒に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?実際に見ると写真で見るより、空間確保の妙技を確認出来ますよ^^。
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「塔の家」を裏側から観る |
ワタリウム美術館