【建築巡礼ー1:レンゾ・ピアノの建築】
今回の旅ではレンゾ・ピアノ(Renzo Piano1937~)が関わった4つの建物(拠点)を見て来ました。
① ロンシャン女子修道院(Le monastѐre Sainte-Claire)とゲートハウス(La poterie)/2011/ロンシャン
ロンシャン礼拝堂近くに建てられた修道院と受付棟です。
修道院は、礼拝堂が丘の上に立っているという景観を重視しているので、ゲートハウスから礼拝堂に向かう際は見えますが、礼拝堂からは全く見えません。
景観にとても配慮している事が分かります。
修道院は、礼拝堂が丘の上に立っているという景観を重視しているので、ゲートハウスから礼拝堂に向かう際は見えますが、礼拝堂からは全く見えません。
ゲートハウスに展示してある敷地模型 |
上から見るとこんな感じ。もっと上に上がると屋根も全く見えなくなる。 |
修道院建設の為の図面の一部 |
居室の中も見せて頂きました。
コルビジェを意識したのかと思える壁や床の色、材質など随所に様々な工夫が感じられました。
コルビジェを意識したのかと思える壁や床の色、材質など随所に様々な工夫が感じられました。
そしてセンターの裏に廻るともう建物は見えず、建物全体が土に埋まってしまったかの様です。
入口に向かうスロープ |
写真などでは‘波の形状の建物’という印象を持っていましたが、実際に見た感想は"土から生えた建物"です。
建物を支える骨が土から生え、弧を描き、また土に還っていく、そんな感じです。
骨の一部は土に埋まっている |
緑地帯では環境を保護・持続させる為に農耕作が行われ、アートを用いてその土壌管理の利点や問題点を伝えようとしています。
確かに、21世紀のアートにおいて「アートの枠を越えて自然との融合を図る」事は大事なキーポイントとなるかもしれません。
また、それぞれの波には役割があります。
北側の波にはカフェ、ホール、子供の為の部屋などが入り、真ん中の波にはミュージアムショップと企画展示室、そして南の波には管理施設です。そしてそれらは光が差し込む通路で繋がっています。
③バイエラー財団美術館(Fondation BEYELER)/1997/バーゼル近郊
ローズ色の自然石を外壁に用い、新しい建物ながらずっと昔からからそこに有ったかの様に周囲の自然に溶け込んでいます。
この美術館は画商であり、あの『アートバーゼル』の共同設立者でもあるバイエラー夫婦がその膨大なコレクションを公開する為に建てた美術館です。
そしてレンゾ・ピアノには、周囲の自然環境に溶け込む様にと依頼したそうです。
その要望通りすぐ脇がバス通りとは思えない程静かな庭と、周囲も散策できる穏やかな環境を併せ持つ美術館でした。
そしてレンゾ・ピアノには、周囲の自然環境に溶け込む様にと依頼したそうです。
その要望通りすぐ脇がバス通りとは思えない程静かな庭と、周囲も散策できる穏やかな環境を併せ持つ美術館でした。
展示場の外廊下には自然光が優しく入り込み、大きなソファでくつろげる。 |
外壁は大型陶板で覆われていて温かな印象です。
更にその上は透明パネルで覆われています。
これは建物内の空気の循環熱を逃さない様にする為だそうです。
これは建物内の空気の循環熱を逃さない様にする為だそうです。
遊歩道側から見る。 |
ローヌ川に沿い2列に続く建物の上には透明な屋根がかけられ、アーケード状になっています。
現代美術も点在していて楽しい通りです。アーケード部分。 |
現代美術館ではオノヨーコの個展が開催中でした。
様々な高さの梯子には上る事が出来る。そこから見える景色は 新鮮。イケメンが上るとそれはそれで彫刻の様^^。 |
新たな生命が誕生している美しいは墓の周りは歩き回る事が出来、小鳥の声も聞こえてくる。 |
公園側から見た現代美術館。壁絵もユニーク。 |
私にとってレンゾ・ピアノは、リチャード・ロジャースとの共同設計であるポンピドゥー・センターのイメージが強く、こんなに周囲の環境に配慮する人だとは知りませんでした。
「百聞は一見にしかず」今回に旅で知り得た大きな事の1つです。