「サヴォア邸(villa Savoye 1928-1931)」
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正面から見た「サヴァ邸」 |
コルビジェの軌跡を終焉の地から逆にたどってきたこの旅も、とうとうここまで来ました。
コルビジェ44歳の時の作品、資産家ピエール・サヴォア夫妻の別荘「サヴォア邸」です。パリから電車で30分ぐらいのポワシーという静かな街にあります。
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サヴォア邸敷地内 |
森の様な緑豊かな敷地を歩いて行くと
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「サヴォア邸」正面 |
急に視界が開けて現れるのが「サヴォア邸」です正面から見るとしっかり四角張っていますが、別の角度から見ると
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横から見た「サヴォア邸」 |
1階の緑の壁面部分が周囲の緑と混じり、2階は宇宙船の様にふわっと浮いて見えます。
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入口は正面の裏側 |
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2階へ向かうスロープ |
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2階と繋がる螺旋階段 |
2階で一番大きなスペースは開閉可能な大きな窓で仕切られたリビングとテラスです。
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「サヴォア邸」2階 部分 |
そろった窓の高さが屋内外の一体感を生み出しています。
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屋上に向かうスロープ |
テラスから更に屋上へスロープを登ると、
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額縁で切り取られた様な景色 |
正面に現れるこの景色
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別な角度から見るとこんな感じ |
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「サヴォア邸」2階 テラスとリビング
屋上からスロープで降りながらテラスとリビングを見ています、リビングの上に見える緑は屋上のもの。2階にはテラス、リビングの他にキッチン、夫婦の寝室、息子たちの部屋、夫人の居間、ゲストルーム、浴室があります。それぞれ収納・デザインに工夫が施されており、独特な形状の浴室などに感動しているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。 |
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浴室から夫婦の寝室と庭の緑を見る |
今回は2回目の訪問です。前回訪れた時は、「どこもかしこも四角く切り取られている」と思ったのですが、今回気になったのは「線の交差が生み出す美しさ」と「白い壁に反射させる光の柔らかさ」です。
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きっちり並んでいる横ラインも斜めのラインと重なって深みを増している |
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螺旋階段の斜めラインとその奥にある横ラインの重なり |
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白い壁に当たった光は柔らかく反射してとても美しい |
「サヴォア邸」でも、建物を公開するだけでなく、リビング部分を展示に有効活用しています。前回訪れた時は現代美術でしたが、今回は当時の車に関わるものでした。
ところで、この別荘は設計的に無理があったのか工事の腕が悪かったのか、水漏れが激しく何度か修繕しています。そして最終的には、夫人が怒ってあまり使わなくなってしまったそうです。新しい試みに失敗はつきもの、という事でしょうか(^_^;)