【アート通信ー95:静嘉堂@丸の内「岩﨑家のお雛さま」】

 現在、静嘉堂@丸の内にて3月31日まで「岩﨑家のお雛さま」展が開催されています。

お人形はもちろん、そのお道具も目を見張るものばかり!また、卯年の還暦祝いに注文された御所人形の愛らしさも必見ですよ!

*写真は全て美術館の許可を得て撮影。

五世大木平蔵(ごせいおおきへいぞう)岩﨑家雛人形のうち内裏雛(だいりびな)」(昭和初期)

岩﨑家のお雛さまは、稚児雛(ちごびな)、可愛らしい子供の姿です。三菱第四代社長・岩崎小彌太(いわさきこやた)が孝子夫人の為に京都の丸平大木(まるへいおおき)人形店に注文したもので、第2展示室に、内裏雛、随身、五人囃子、三人官女、仕丁が展示されています。

*「丸平大木人形店」は、江戸時代に京都で創業。京都で最も古い人形店。屋号は「丸平」

岩﨑家のお雛さまのお道具

そして見事なお道具は、第1展示室に展示。精巧な作りに目を奪われます。

五世大木平蔵「小袖箪笥・衣裳箪笥」(昭和初期)

人形のお道具とは思えない立派な箪笥。紋は岩﨑家の替紋『花菱紋(はなびしもん)』。

五世大木平蔵「貝桶・合貝」(昭和初期)

こちらの貝桶にも紋が見えますね、ここには貝合わせ遊びで使う貝が入っています。

五世大木平蔵「貝桶・合貝」(昭和初期)

中に入っている貝はこちら!施された絵の細やかさを拡大鏡で確認できますか?通常、貝合わせ遊びではハマグリを使いますが、それでは大きすぎるので、ここではハマグリの稚貝を使うという徹底ぶり!


五世大木平蔵「木彫彩色御所人形」(昭和初期)

第3展示室では、卯年生まれの小彌太氏の還暦祝いに、孝子夫人が同じく「丸平大木人形店」に注文した、58体の可愛らしい御所人形が展示されています。

*御所人形とは、幼い子供の人形で、頭が大きく、コロンとしているのが特徴。木彫の場合、人形に貝殻の粉に膠を混ぜた胡粉を塗り重ね、乾かし磨いているので、その肌はまるで陶器のように艶やかで美しい!

五世大木平蔵「木彫彩色御所人形のうち楽隊」(昭和初期)

ウサギの面を頭に乗せた人形達がなんとも愛くるしい!

五世大木平蔵「木彫彩色御所人形のうち輿行列」(昭和初期)

そしてこちらの輿行列の輿に乗っている弁財天は、孝子夫人がモデルだとか。

五世大木平蔵「木彫彩色御所人形のうち恵比寿」(昭和初期)

可愛い恵比寿さまの扇や衣装の一部には、岩﨑家の家紋『隅切り角に重ね三階菱紋』が見られます。

豪華なホワイエ

一部をご案内しましたがこの他、江戸時代に作られた『犬筥』『立雛』、雛飾りの様子を描いた『浮世絵』の展示もあります。

ゆっくり鑑賞した後は、この豪華なホワイエでくつろぐのもいいですね。

 静嘉堂@丸の内「岩﨑家のお雛さま」入り口付近

静嘉堂@丸の内は、2022年10月に東京・丸の内にオープンした美術館で、千代田線二重橋前駅からは、外に出ないで辿り着けます。よろしければ、【アート通信−79:「静嘉堂@丸の内」】をご参照ください。


三井記念美術館で開催中の「三井家のおひなさま」との相互割引があり。詳しくはホームページにてご確認ください。

「岩﨑家のお雛さま」
静嘉堂@丸の内にて2024年3月31日まで。

静嘉堂@丸の内



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