【アート通信―16:「京都府庁旧本館」】
京都に旅行に行って役所に足を運ぶ方は余りいらっしゃらないと思いますが、ここには是非立ち寄って欲しいです!
"ここは日本か?ヨーロッパでは?"と錯覚をおこしてしまうほど素敵な空間が一般公開されています(しかも無料!)
"ここは日本か?ヨーロッパでは?"と錯覚をおこしてしまうほど素敵な空間が一般公開されています(しかも無料!)
それは京都府庁旧本館です。明治37年(1904年)に竣工されました。新館があるので「旧」と付きますが現在も現役です!使用されている官公庁の建物としては日本最古のものだそうで、2004年に国の重要文化財に指定されました。
見学や利用の詳細
正門から望む「旧本館」はまるで洋館の様な趣 |
設計は主に京都で活躍した、松室重光(1873-1937)です。ルネサンス様式の建物で、見事な細部にも注目です。
「旧本館」はロの字に建てられているので、廊下に面した全ての窓から中庭を望める |
「旧知事室」 |
1905年から1971年まで24人の知事が使用した「旧知事室」には凝った装飾の暖炉もあり、天井は格式の高い<格天井>になっています。
美しすぎる「旧議場」 |
そして極め付けはここ!議会が開かれていた「旧議場」はサロンの様な美しさです。大きな吹き抜け空間では、窓から差し込んだ光が白い漆喰の壁に反射しシャンデリアの華やかさも加わるとまばゆい程です。半円形の階段状に設置された議員席はダイナミックな雰囲気を、2階の傍聴席前をかたどるアーチは教会の様な荘厳な雰囲気を醸し出しています。
こちらは2013年まで京都府の情報センターとして使われていましたが、様々な資料を基に2016年に明治期当初の姿に戻しました。赤い絨毯(朱色の方)はオリジナルです。*製造する機械が存在せず、この絨毯が駄目になったらもう再現は不可能だそうです。
こちらは2013年まで京都府の情報センターとして使われていましたが、様々な資料を基に2016年に明治期当初の姿に戻しました。赤い絨毯(朱色の方)はオリジナルです。*製造する機械が存在せず、この絨毯が駄目になったらもう再現は不可能だそうです。
こちらでは見学が出来るだけではなく<土曜講座>というものが開かれています。申し込めば誰でも参加出来るので(*定員あり)、お近くの方は問い合わせてみたらいかがでしょう。
この「中庭」の景色はまるでヨーロッパの修道院中庭の様 |
現役で使用されている建物なので、廊下などでは職員の方とすれ違います。そんな時、自分が今どの時代に居るのか一瞬分からなくなり不思議な感覚に陥ります。ここの素晴らしいところは、再生して保存・公開しているだけではなく、撮影への貸し出しや結婚式は勿論、講座などに実際に利用しているところだと思います。
見学や利用の詳細