手放せない音楽



J.S.バッハの「パルティ―タ」と「ゴールドベルク変奏曲」
色々なジャンルの音楽の中で絶対に手放せないと思う1つが、グレングールドのこの2本のテープです。
グレングールド(Glenn Gould 1932-1982)は、途中からホールでの演奏活動を拒否して録音収録のみの活動に専念した事や、演奏しながら音をハミングしたピアニストとして有名です。
特に「パルティ―タ」はかなり落ち込んだ時に聞きます。
音ひとつひとつがはらはらと泣いている様で、とてつもない悲しみを感じますが、なぜか聞くと自分は浮上出来ます(^ ^)
彼の指からこぼれる音が余りにも絶望感に満ちていて、自分の落ち込みは何だったっけ、と感じるからでしょうか?
ひたすら鍵盤と向き合う彼の姿勢に、まっすぐな音に圧倒されるからでしょうか?

一方、心がふわふわと落ち着かない時は、ラデク・ボバラーク(Radek Baborak 1976-)のこのCDです。
J.S.バッハの<無伴奏チェロ組曲に基づく>「組曲」
ひとつひとつの音が身体の奥底に響き、落ち着くことが出来ます。
初めて聞いた時は、この深く包み込む音を生み出しているのが何の楽器か分かりませんでした。ホルンだと知った時は`あのぐるぐる巻の?'と驚きました(^ ^)

幼い頃ピアノのレッスンで、バッハは嫌いなジャンルでした。
微妙に変わる音階の繰り返しに吐き気さえ感じたものです。
不思議なもので今は大好きです。
微妙に変わる音階の繰り返しには心地良ささえ感じ、そこからにじみ出る無限の世界にはまっています(^ ^)

こんなに心の支えになっている音楽ですが、出会いは偶然でした。
グレングールドは大学時代、友人が卒論で取り上げていて興味を持ち、ラデク・ボバラークは13年ほど前、近道する為に入ったCD屋さんでかかっていたのに引き込まれたからです。

「出会い」は偶然でも、気持ちを整えたり、そこから世界を広げていってくれる『芸術』は、やはり素晴らしいです*\(^o^)/*

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