[奈良原一高 王国]

東京国立近代美術館で開催されている[奈良原一高 王国]を拝見しました。
こちらは同時開催の[高松次郎:ミステリーズ]のチケットで鑑賞出来ます。

初めて彼(1931年~)の作品を観た時、私はその圧倒的な静かさに打たれてしばらく身動きがとれませんでした。うすい光に包まれた静謐な世界は観る度に精神が研ぎ澄まされる気がします。

今回は《北海道の女人禁制の修道院》と《和歌山の女性刑務所》という双方とも外部と隔絶された空間での生活を撮り綴ったものが展示されています。

[奈良原一高 王国]パンフレットより《北海道の女人禁制の修道院》
[奈良原一高 王国]パンフレットより《和歌山の女性刑務所》
どちらも禁欲的な生活ですが、
修道院は本人が望んで入り、刑務所は望まず入るところです。
そして修道院は一度入ったら出ない事を前提に過ごす処であるのに対し、刑務所は出る事を目標に過ごす処です。
それらが‘写真’という媒体から言葉などを必要とせずに、じわっと静かなメッセージとして悲しいほどに伝わってきます。

[奈良原一高 王国]2015年3月1日まで。
http://www.momat.go.jp/Honkan/naraharaikko/index.html

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