南仏案内 スリにあった!―②

南仏の旅も終盤にさしかかった頃、ースのトラムの中で‘スリ’にあいました。


ニースの閑な海

とっさに、運転手さんにその事を伝えなくっちゃ!と思い、一番前の車両に乗り換えましたが、改めて見ると運転席は厚いガラスで仕切られています・・。それでも慌てていた私は、ドンドン!とガラスを叩きました。突然の事で周りの人は私を奇異な目で見ます。

いけない、いけない、落ち着かなければ!私が問題人物として通報されてしまう。
周りの人に事情を説明しなければ・・・‘アレ?皆外国人?’そんな~!ヴァカンスシーズンなので、本当に外国人が多くてフランス人が少ない・・・・しょうがない。
あなたはフランス人ですか?’‘フランス語はしゃべれますか?
と一人一人に尋ねました。
No.’‘Non,’首を振る人、手をバタバタさせる人、居ませんフランス人が。それに、何か問題を抱えていそうな人に巻き込まれたくない、という思いもあれば、例えフランス人でも‘Oui(はい)’とは言わないですよね。そんな時、一人の男の子が
‘パパ?・・・’とお父さんに話しかけました。その先は聞かなくても彼の表情で分かります。男の子は言いたい、パパはフランス語、話せるよね?’と。私はすかさず
‘あなたフランス人ですか?フランス語、話せますね!’と詰め寄りました。彼は、気が進まない様でしたが、子供の手前
‘Oui・・.’
事情を説明すると、彼は気の毒そうに、
警察に行ったほうがいいね。警察は次の停留所で降りて・・・いいや、一緒に行くよ。と言ってくれました。事情が分かれば、怪しい人物ではない、と分かれば皆そう鬼ではない。親切に、途中で降りて私を警察に連れて行って、事情も説明してくれました。


どこかイタリアっぽいニースの街

そこの警察は所謂、派出所の様な所だったので、その後、渡された地図に従って、大きな警察に行くように言われました。もう17時ぐらいだったので、‘何時まで大丈夫?今から行っても大丈夫?’とおまわりさんに聞くと、‘24時間OK。何時でもあなたの都合のいい時間で大丈夫だよ~。’と言われました。その呑気さにちょっと拍子抜けしながら、今度は一人で大きな警察へ移動です。




このブログの人気の投稿

【建築巡礼ー5:アールトによるルイ・カレ邸】

【アート通信ー25:ベルリン・集合住宅「ジードルング・ブリッツ」】

【建築巡礼ー9 : ル・トロネ修道院 abbaye du Thoronet】