【アート通信ー116:「今治市 岩田健 母と子のミュージアム」】
116回目のアート通信は、瀬戸内海に浮かぶ島、大三島にある小さな美術館「今治市 岩田健 母と子のミュージアム」からです。
| 円形の芝生に展示されている作品 |
「今治市 岩田健 母と子のミュージアム」は、彫刻家 岩田健 氏 (1924-2016) の作品が展示されている半屋外の彫刻美術館で、2011年夏に開館しました。建築は世界的建築家の伊東豊雄 氏です。
直径30メートルにくり抜かれたの円形の芝生に44体の作品が並びます。屋根下のベンチから鑑賞するも良し、芝生内を散歩しながら、あるいは真ん中のベンチに座り見渡しながら鑑賞するも良しです。
瀬戸内海には、アートに力を入れている島が多いです。ここ、大三島にも小さいながら個性的な美術館が複数あります。詳しくは、下記のリンク しまなみアートミュージアム からご覧ん下さい。
岩田氏は、東京美術学校彫刻科(現東京芸大)に入学後、1944年に陸軍飛行学校に入隊しました。戦後復学し、卒業後は公立校の教諭、慶應義塾幼稚舎工作科教諭をしながら彫刻制作を続けました。
| 岩田氏が書いた詩 |
特攻隊員でありながら生き延びた彼が制作する作品からは、優しさと平和への強い想いが感じられます。
ぐるっと大きく囲む壁には自身の詩などがさりげなく刷り込まれており、鑑賞の手助けになるでしょう。
| 「今治市 岩田健 母と子のミュージアム」入り口 |
こちらの美術館は、廃校になった宗方小学校跡に建ち、「今治市大三島美術館」の分館という位置付けになっています。
氏の慶應義塾幼稚舎時代の教え子である千住明氏(作曲家)、千住真理子氏(バイオリニスト) によるとオリジナル曲「時の扉」が、9時から17時までの各時間に2〜3分流れるので、時間を合わせての訪問がお勧めです。
| 宿泊施設「大三島憩の家」 |
宗方小学校跡地には「今治市 岩田健 母と子のミュージアム」の他、元校舎を利用した、宿泊施設「大三島憩の家」と、ワイン醸造場「株式会社大三島みんなのワイナリー」もあり、こちらは島で採れた葡萄から作るワインだけでなく、島で採れたみかんから作る果実酒も作っています。
| みかんの木と「ところミュージアム大三島」の彫刻、瀬戸内海を望む |
瀬戸内海には、アートに力を入れている島が多いです。ここ、大三島にも小さいながら個性的な美術館が複数あります。詳しくは、下記のリンク しまなみアートミュージアム からご覧ん下さい。
また、隣の 生口島 は島ごと美術館をうたっている島で、こちらも注目の島です。