【アート通信ー96:有楽町ウィンドウギャラリー2024】

 96回目のアート通信は、現在、東京・丸の内の『丸の内仲通り』で3月24日まで開催されている「有楽町ウィンドウギャラリー2024」からです。

一保堂茶舗店内にてStphanie Quayle氏の作品

「有楽町ウィンドウギャラリー2024」は、丸の内仲通り沿いの8店舗に、その店舗に合ったアーティストの作品が展示される期間限定限定のアートイベントで、今年で3回目。「TOKYO ART WALK」の一環として開催されています。

今回は、その中から特に3店舗を選んでご紹介しましょう。セレクトされたアートと店舗の商品との相性にも注目ですよ!


1717年創業のお茶の老舗「一保堂茶舗」

一保堂茶舗店内にて Stphanie Quayle 氏の作品

粘土で作られたStephanie Quayle氏の作品が、漆喰壁を背に、まるでずっとそこにいたかのように佇んでいます( 画面左側 )

紀元前より存在する「茶」と、同じく紀元前より存在する動物たちが醸し出す不思議な空気感です

カウンターのStephanie Quayle氏の作品

とは言え、この招き猫ならぬ招き猿が、主人のように鎮座し、お客を迎えしている様子には思わず吹き出してしまいました。


シューズ店「Allbirds」

「Allbirds」は、ウールなどの自然素材を使うだけでなく、生産における二酸化炭素の排出量ゼロに向けて邁進している会社。

「Allbirds」店舗に展示されている 河本蓮太郎氏の作品

『裂き織り』を用いた 河本氏の作品

河本氏は、『裂き織り』の技法を用いて、それを美しい作品へと展開させています。

『裂き織り』とは、江戸時代より受け継がれる織りの技法で、古布を手で裂き紐状し、それで新たな布を仕立てていく手法。

布が貴重だった時代は当たり前の事として、様々な方法でボロボロになるまで利用されました。


「Allbirds」のシューズと河本氏の作品の展示

「Allbirds」の精神から生まれたシューズと、裂き織りを用いた河本氏の作品が見事に一体化していますね。


「有楽町ウィンドウギャラリー2024」のフラッグ

作品が展示してある店舗は、こちらのフラッグが目印。


「boi de qui」にて展示されている浅野友里子氏の作品

「boi de qui」は、一見花屋に見えない花屋です。そしてそこに展示されているのは 浅野友里子氏の作品、何か奥深いストーリーがありそうな植物画です。

「boi de qui」の植物たち

ガラスの館の中で怪しい雰囲気をも醸し出している「boi de qui」の花々も、とても魅力的!一本から購入可能だそう。

薄久保香「すぐ傍に見つけたあなたの分身」(2023)

「boi de qui」のお隣、国際ビルのエントランスには、去年のアートイベント「大丸有アートアクション」での出品作品、薄久保香氏の「すぐ傍に見つけたあなたの分身」(2023)が継続展示されているので、こちらもお見逃しなく!【アート通信ー90:丸の内が面白い「大丸有アートアクション」】

商品とアートは共存出来るの?という疑問もありましたが、行ってみると中々面白い。自分と縁がない店、あるいは縁がないと思い込んでいた店に入ってみるチャンスにもなりました。

展示作品は全て購入可能。店に立ち寄ってアートを観るのは、美術館やギャラリーまで足を運ぶよりハードルは低いかもしれませんね。


各店舗にはこちらのマップもあります

マップには各出品作家の説明もあり

マップの下にはイベント情報も!

3月24日(日)まで。












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