【アート通信ー45 : 青木野枝】
45回目のアート通信は、鉄を使った彫刻家、青木野枝氏(1958-)の紹介です。
青木氏は主に工業用の鉄から立体作品を作り続けている作家です。
鉄素材の彫刻と言うと鉄の塊のような重いものをイメージしますが、青木氏の作品は鉄から切り抜いたパーツパーツをつなぎ合わせているので、まるで空気を含んでいるかのような軽やかな印象です。
私は2010年の瀬戸内国際芸術祭で作品を目にして以来のファンです。
細い鉄のラインで空気に絵を描いているような、またその場を意識しながらもそれを軽やかに未来に繋げているような、そんな不思議な魅力に取り憑かれました。
作品のスタイルは円を連結したものが多く、そこに色ガラス、曇りガラスなど数種類のガラスを組み合わせたものもあります。そしてほとんどの作品はその空間で組み立てていく手法なので、言わばその場に対応したオーダーメイド作品です。
作品は、箱根の「ポーラ美術館」、倉敷の「大原美術館」などの美術館で恒久設置されている他、青梅市庁舎、日本生命保険相互会社(大阪)などにも設置されています。
鉄素材の作品が多いのですが、中には石鹸を使ったこんな作品もあります。
カラフルな作品ですが、実はこちらは以前青木氏が、 ‘アウシュビッツから遺骨が帰ってこない人がいる。当時ナチは人間から石鹸を作っていた。よって遺骨がない人のお墓に石鹸を供えた。’ という話を聞いた際、その話に衝撃を受け、またそこから着想を得て生まれた作品なのです。
2020年3月1日まで、東京都府中市美術館にて「青木野枝 霧と鉄と山と」が開催されているので、ご興味のある方は足を運ばれてはいかがでしょうか。
府中市美術館
金津創作の森についてはこちらからどうぞ
〈霧と山とーⅡ〉(2019) |
青木氏は主に工業用の鉄から立体作品を作り続けている作家です。
鉄素材の彫刻と言うと鉄の塊のような重いものをイメージしますが、青木氏の作品は鉄から切り抜いたパーツパーツをつなぎ合わせているので、まるで空気を含んでいるかのような軽やかな印象です。
私は2010年の瀬戸内国際芸術祭で作品を目にして以来のファンです。
細い鉄のラインで空気に絵を描いているような、またその場を意識しながらもそれを軽やかに未来に繋げているような、そんな不思議な魅力に取り憑かれました。
作品のスタイルは円を連結したものが多く、そこに色ガラス、曇りガラスなど数種類のガラスを組み合わせたものもあります。そしてほとんどの作品はその空間で組み立てていく手法なので、言わばその場に対応したオーダーメイド作品です。
作品は、箱根の「ポーラ美術館」、倉敷の「大原美術館」などの美術館で恒久設置されている他、青梅市庁舎、日本生命保険相互会社(大阪)などにも設置されています。
日本生命保険相互会社脇の遊歩道に設置された作品 〈空の粒子/パッセージ2015〉 |
また「越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」などへの参加、「霧島アートの森」「金津創作の森」での制作など様々な活動もしており、中には建築家青木淳氏とのコラボ作品、賃貸住宅の外観を作品で覆ったメゾンアオアオ(吉祥寺)というものもあります。
金津創作の森の設置されている作品 〈玉鋼ーⅢ〉(2002) |
鉄素材の作品が多いのですが、中には石鹸を使ったこんな作品もあります。
カラフルな作品ですが、実はこちらは以前青木氏が、 ‘アウシュビッツから遺骨が帰ってこない人がいる。当時ナチは人間から石鹸を作っていた。よって遺骨がない人のお墓に石鹸を供えた。’ という話を聞いた際、その話に衝撃を受け、またそこから着想を得て生まれた作品なのです。
〈立山 / 府中〉(2019) |
2020年3月1日まで、東京都府中市美術館にて「青木野枝 霧と鉄と山と」が開催されているので、ご興味のある方は足を運ばれてはいかがでしょうか。
府中市美術館
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