【アート通信ー23:「植田正治写真美術館」】

23回目のアート通信は、鳥取県のとても素敵な美術館「植田正治写真美術館」のご案内です。

美術館外観

こちらは世界的に有名な写真家、植田正治氏(1913-2000)の作品を半永久的に保存・展示する目的でつくられた町立の美術館です。鳥取県西伯郡伯耆町(ほうきちょう)にあります。正式名称は「伯耆町立写真美術館」で、1995年に開館しました。伯耆町は植田氏の故郷なのです。

植田正治氏は、世界的に有名な写真家になっても故郷を愛し、生涯この地を離れる事はありませんでした。また、被写体を映画のワンシーンのように配置したモダンでシュールな表現方法は、海外の人にも「Ueda-cho」と呼ばれ絶賛されてきました。

植田氏の作品は、写真展などでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、東京都写真美術館の屋外壁面でも確認できます。


東京都写真美術館入口近くの屋外平面に設置されている植田正治氏の「砂丘シリーズ」の作品

「植田正治写真美術館」魅力は建物にもあります。作品をより良く見せる為だけでなく、周囲の環境を壊さない為の様々な工夫が施されています。やはり鳥取出身で世界的にも有名な建築家、高松伸氏(1948-)によるものです。


館内資料室

そして館内には楽しい撮影スポットも!
その1つがここ。

2階の撮影可能スポット

ガラスに植田氏の作品で用登場するハットが描かれています。そして傍らにはやはり氏の作品によく登場するステッキと傘が置かれ、自由にポーズをとって写真を撮れます。

もう1つはここ!

1階屋外の撮影スポット

出入口の屋外壁面です。壁面に氏の「砂丘シリーズ」の作品がセットされているので、その前で自由にポーズをとればたちまち「Ueda-cho」の作品に?!

「砂丘シリーズ」とは、氏が勝手知った鳥取砂丘を自分の庭のようにスタジオのように使いこなして、名作を生み出してきた鳥取砂丘を舞台に制作した作品シリーズの事です。

鳥取の名勝「鳥取砂丘」

そして、鑑賞後に鳥取の名勝「鳥取砂丘」に足を運ばしてみてはいかがでしょう?ああこの辺りで、この角度で撮ったのかな?と想像できていつもの観光とは違った楽しみとなるでしょう。そしてここで、巨匠の作品に負けない作品作りに挑戦してみるのも良いかもしれません。

作家が愛した土地で、その作家の作品を鑑賞できるのはとても贅沢な事、そして作品への理解も深まります。

美術館へのアクセスは公共機関ならJR伯備線の岸本駅からタクシーで5分程です。タクシーは電話で呼ばなければいけません。決して便利とは言えませんが、そんな不便さも楽しんで!


伯備線はこんな切符で!

植田正治写真美術館については、こちらでも紹介しています。
オリジナル写真も撮れる!鳥取「植田正治写真美術館」

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