【アート通信ー18:「セウラサーリ野外博物館」】

アート通信18は、ちょっと遠いですがヘルシンキ郊外の野外博物館、「セウラサーリ野外博物館」です。

セウラサーリはヘルシンキの西側にある小さな島で、島全体が国立公園になっています。そしてここには、フィンランド各地から移築された18世紀~19世紀の保存すべき建築が自然の中に点在しています。それが野外博物館「セウラサーリ野外博物館」です。

島の自然はうっとりする程美しい

森の中で散歩しながら様々なタイプの家や教会、粉ひきの風車小屋などに出会えます。

ここで最も古い建物、旧カルナ教会

教会内部

内部も当時のままの状態で保たれており、スタッフの服装も当時のものなので専門知識が無くても違和感無くその世界に入り込んでいけます。スタッフは質問されない限り、編み物など当時そこでしてたであろう行動をしています。

スタッフの服装も当時のままで、建物がより生き生き感じられる農家が所有していた19世紀の家。

食事に使われていた桶が奥に見える室内

もちろん、詳しく知りたい人はパンフレットの解説を読めばより深く理解出来ます。なかにはこんな建物も!



大きさは百葉箱をちょっと大きくしたぐらいです。これは食料を保管しておく為の小屋!熊など野獣の手が届かない微妙な高さに設置されています。


森から出てきたリス

そしてもう一つの特徴は、ここが小動物も戯れる素晴らしい自然の中という事です。 運が良ければ森から出て来たリスに出会えますし、水辺には白鳥の親子も泳いでいます。そのせいか訪れる人も小さい子を連れたファミリーやカップルが多く、学ぶというより休日を共にゆっくり過ごす場所という感じでした。

似たような施設は、お隣のスウェ―デンやノルウェーにもあります。日本にも歴史的建造物の移築・展示をしている「江戸東京たてもの園」がありますが、スタッフの服装や作業から、当時の生活を容易に想像出来るここの環境は素晴らしいと思いました。

空調の効いた室内で鑑賞するのではなく、特に小さい子にとっては、自然の中で動きながら見て、触って、聞いて、様々な事を自然に身に付けていけるここの環境はとてもいいと思いました。<建物とは><生活とは>という観念は、もしかしたら幼い頃に身につくものなのかもしれません。

セウラサーリ野外博物館は1909年にヘイケル教授の発案で設立され、建物は現在87棟あります。
ヘルシンキ中心部よりバスで20分ぐらい、カフェやレストランもあるので一日ゆっくり過ごす事が出来ますよ!

「セウラサーリ野外博物館」に関してはこちらでより詳しく紹介しています。
フィンランド「セウラサーリ野外博物館」自然を満喫!建築を満喫!

セウラサーリ野外博物館
江戸東京たてもの園





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