お江戸 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 3月 14, 2015 最近気に入っている本です。 人文社の「広重の大江戸名所百景散歩」 広重によって描かれた春夏秋冬のお江戸が紹介され、その絵が描かれた正確な場所と時代背景も記されています。 例えばこちらの41景[市ヶ谷八幡]なら、 左ページの上に当時の地図、左下に現在の地図が示され、更に文章でその辺りの当時の様子や史実が記されています。 "へ〜!"という事も多くてとても興味深いです。 実際に訪れて絵が描かれた場所と同じ所に立って見渡すと、当たり前ですが当時と全く異なる景色が広がり"ここ?"という感じになりますが、お掘りや川そして大通りは当時のままで、歴史の大きなうねりの中に居る自分を感じられて、ちょっとロマンに浸れます。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
【建築巡礼ー5:アールトによるルイ・カレ邸】 6月 11, 2016 屋根の傾斜はなだらかな土地の傾斜に沿っている フィンランドの著名な建築家でありデザイナーであるアルヴァ・アールト(Alvar Aalto:1898-1976)による建築です。 フランス人画商:ルイ・カレ(Louis Carrē:1897-1977)の晩年の家で、自然の中でアートと過ごす自宅兼ギャラリーです。 1959年に完成し(細部まで完成したのは1963年)、パリから西に40㎞、ベルサイユの先にあります。 *こちらはフランスで唯一見る事が出来るアールトの建築です。 デザインされた頑丈な門 雑木林の小道 門を入り、広大な敷地を歩いて行くと建物にたどり着きます。 玄関入口付近 木材の使用や大きく厚い窓ガラス、そして光の入れ方などから北欧の建築家の手によるものだと感じる事が出来ます。 ポーチの柱、こんなところにも木材を使用。 木材を使用したリビング外観 大きな厚い窓があるリビング リビングの暖炉周辺は自然素材の使い方がとても素敵 やわらかな光を取り込む玄関ホールの明かり窓 カレは仕事柄たくさんのアーティストや建築家と付き合いがありました。 そんな中で知り合いではなかったアールトに設計を依頼したのは、自然と共に過ごすというテーマやアートとの向き合い方に、彼と自分との共通点を見出したからだそうです。 こちらのリビングの為にデザインされたマット プライベート空間と、公的空間を分ける圧迫感のない扉 計画は3年もの年月をかけてじっくり進められ、完成後は当初の予定通り顧客、デュシャンやミロといったアーティスト、小説家、著名人などを招待してコレクションを堪能しながら交流を深めたそうです。 ギャラリストとして、まさに理想的な生活です。 庭には各居室からアクセス可 パーティーにも利用された庭 そしてカレの死後も夫人は亡くなるまで住み続け、ピカソなどの大事な美術品を手放してもここの土地・家は手放しませんでした。 とても強い思い入れがあったのでしょう。 現在はフランスのアールト財団が修復を続けながら公開・管理をしており、撮影やレセプションへの貸し出し、展覧会の開催などにも対応しています。 庭との関係(自然との関係)、部屋の取り方、家具・照 続きを読む
【アート通信ー25:ベルリン・集合住宅「ジードルング・ブリッツ」】 4月 29, 2018 25回目のアート通信では、ドイツ・ベルリンの郊外ブリッツにある世界遺産の集合住宅、「ジードルング・ブリッツ」(1925-1931)をご紹介します。「ジードルング・ブリッツ」とは、ブリッツにある集合住宅、という意味で1931年にドイツ人建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)の指揮のもとに建てられました。 田園地帯だったところを開発した「ジードルング・ブリッツ」。この手前の池も以前からあったそう。 「ジードルング・ブリッツ」の大きな特徴は、中心となる建物が自然の地形を生かして東に向かって馬蹄形に建てられている事!馬蹄形は幸運を引き寄せる形と言われており、それを意識したとも、丸く作る事で住民が皆、朝日を浴びられるようにしたとも言われています。 テラスの壁は曇りの日でも青空を感じられるように、と青色に塗られている 37.1ヘクタールの敷地には、その馬蹄形の住宅棟を中心に何棟もの集合住宅棟が放射状に建てられています。トータルで約1960戸あります。どの住宅にも庭があり、庭では畑を作ったり、子供の遊び場を作ったり、と思い思いにそれを利用しています。 庭は2階3階の人も使用できるように平等に区切られている ではなぜ、このような住宅が建てられたのでしょうか?20世紀初めの首都ベルリンでは人口が集中し、住宅供給が追い付かなくなりました。中にはひどい住宅もあったそうです。その劣悪な環境を改善する為、政府が主導し沢山の労働者向け集合住宅が建てられました。1920年頃の事です。 なんとそのほとんどが当時の代表的な建築家によって建てられ、現在ベルリンではこちらをはじめ6つの集合住宅が世界遺産に認定されています! 各戸の窓、扉は整然と同じに配置されており、外観はシンプル。車の駐車の仕方も整然(?) ここでタウトが強く心配ったのは労働者の為の住宅、<平等>だそうです。それはちょうど道路を挟んだ向かいに建っている別の建築家が建てた集合住宅と比較しても分かります。 「ジードルング・ブリッツ」の道路を挟んだ向かいの集合住宅。デザインも色も少しずつ違う。 「ジードルング・ブリッツ」にずっと住まれている方のお宅を見せて頂きました。手を加えたり、好みのインテリアを施したり、と丁寧に住まわれていてとても 続きを読む
【建築巡礼ー10:シャトー・ラ・コストChâteau-La-Coste】 7月 23, 2016 シャトー・ラ・コスト Château-La-Coste 、アートと建築とワインが結びついた場所。 敷地内に入りブドウ畑を眺める 南仏エクス・アン・プロヴァンスの傍、ル・ピュイ=サント=レパラード Le Puy-Sainte-Réparadeにあり 75,000人が毎年訪れています。 ワイン畑や野菜畑を含む200haの広大な土地に、世界中から招かれた現代美術家の作品と建築家の作品が点在している、言わば野外美術館です 。 2011年より有料で公開されています。 Layrence Neufeldによる Donegal, 2013 ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois、リチャード・セラ Richard Serra、宮島達男などそうそうたるメンバーの作品を、 アップダウンのある豊かな自然の中で堪能出来ます。 ゆっくり歩いて2時間程で、 ガイドツアーもあります。 程よい疲れを感じたら、 敷地内のレストランで今見て来た畑のワインを頂き、美味しい食事と共に 空腹を満たせ ます。 正に至れり尽くせりです。 と同時に、単にワイン畑を見せる・試飲・販売という従来の方法にアートを加えプラス収入も得る、というビジネス的にも優れたシステムです(*^^*) この夏(2016年夏)から一部プール付きのヴィラがオープンして滞在も出来る様になりました。 その他、イレギュラーでコンサートが開かれたり、屋外で映画が上映されたりとイベントも盛りだくさんです。 コンサートも開かれる、フランク・ゲーリーによる Pavillon de Musique ,2008 * 音楽棟 Pavillon de Musique, 2008に 関しては 【建築巡礼-3:フランク・ゲーリーの建築】 でも触れています。 敷地内に入って、まず私たちを迎えてくれるのが アートセンターCentre d'art, 2011 です。 こちらは安藤忠雄によるもので、ミュージアムショップ兼インフォメーションセンター兼カフェ・レストランの役割を果たしています。 安藤忠雄による Centre d'art, 2011 、彫刻は杉本博司 Vの字の建物は Vigne(ブドウの木)の頭文字 V を象っています。 続きを読む