Villefranche-sur-Mer(ヴィルフランシュ・シュル・メール)

前回、マントンのところでで、コクトー美術館を訪れましたが、コクトーの作品をここでも目にする事が出来ます。
それは教会(Chapelle St-Pierre サン・ピエール礼拝堂)です。
ピカソ・サティ・モディリアー二、そしてシャネルとも交流のあった彼は、作家であり、詩人であり、画家でもあり、いわゆるマルチに活躍した天才肌の芸術家です。

ヴィルフランシュ・シュル・メールは、ニースよりバスで10分の所(マントン行きの100番か、81番)にありますが、ニースと比べるととても静かで、人も少なく、落ち着いた町です。
海外の有名人も、今はニースよりもこの辺りを好んで長期滞在したり、別荘を購入したりするとか。

バス停Octroiで下車すると、右手広場の中に観光案内所があります。ここで町の地図をもらって歩けば、迷う事はまずありません。こじんまりした町です。

Chapelle St-Pierre サン・ピエール礼拝堂
 上の写真がサン・ピエール礼拝堂です。
お隣りにカフェがあります。
お向かいではマルシェ(市場)が開かれていました。
内部は撮影禁止だったのですが、正面・右・左・天井にキリストの使途ペテロの生涯がヴィルフランシュ・シュル・メールの風景の中に描かれています。
そのはみ出さんばかりの勢いのある筆致は、新しい時代を予感させ、やはり魅力的があります。
扉近くの絵にはコクトーの周りにいた人も描き込まれています。
小さい空間ですが、ゆっくり鑑賞が出来ます。

礼拝堂の向こう側は海で、遊覧船の乗り場がありました。
遊覧船の乗り場、結構乗る人が多い
こちらに向かう途中で面白い事が・・・それは≪日傘≫です。

私は南仏のあまりにも強い日差しに耐えかねて(染みになる、というレベルではなく、痛い!)日傘を使用していたのですが、どこへ行っても変な人、という目で見られます。
彼らはわざわざお金を出して南仏にやってきて何をするのかって、日光浴!
そのありがたい日差しをさえぎるなんて!何しに来たの?ときっと思うのでしょう。
「お大事に!」(これは、厭味です。日差しをさえぎらなければならないのは、体が悪い人かかなりのお年寄りだけ、という事で。)
「雨降ってないよ!」(これも‘変な人ね~’という意味)
はよく言われるのですが、いいんです!
自分の体は自分で守らなくっちゃ。
ところが、ここではじめて真面目な顔で、
「ちょっと、聞いてもいい?その傘どこで買ったの?どこに売ってるの?私も欲しいんだけど。」
と聞かれとのです。
見るとかなり元気そうな、トライアスロンでもやっていそうな女性、聞きなれない質問に戸惑いながら、
「これ?日本から持って来たのよ。こういう風にたためるし、雨が降っても使えるのよ。便利よ~。」と答えると、
「あ~やっぱり日本か~。日本には便利な物が一杯あるわよね~。日本じゃ買いに行けないな~。」と、食べ物や、健康、生活習慣に気を付けている方なのでしょうか。
「うん、ちょっと遠いわね~。日本ならどこででも売ってるんだけどね~。」と答えておきました。
フランスで、初めて≪日傘≫を褒められた!

旧市街から海の方を見下ろした所。坂を下りていくと場バス停。
 
その日は祝日明けで道路が少し渋滞していました。
バス会社の方でしょうか、ストップウォッチのような物と、リストを持ってバス停で待ち構えて到着したバスに、「○分遅れているから急ぐように。」とか、
「この先どこどこまで混んでるよ。」という情報を伝えています。
ここまでですと、フランスにしてはまめな、ヴァカンスシーズンなのに、ですが、話はそこで終わらないんです。
「休日はどうだった?」とか
「あんたどこ出身?あ~偶然だね~僕と一緒だ!それでどこの村よ?」と話がなかなか終わらない。
う~んだから遅れるんじゃないの~?

ヴィルフランシュ・シュル・メールの詳しい情報はこちらから



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