【アート通信ー66:「Les couleurs en jeu ル・パルクの色 遊びと企て」】

現在、銀座メゾン エルメス ル フォーラム「Les couleurs en jeu ル・パルクの色 遊びと企て」が開催されています。この展覧会はアルゼンチンに生まれ、フランスを拠点に活動しているジュリオ・ル・パルク(1928-)の日本初の個展です。

2フロアーを使った大きな空間での展示

展示されているのは、初期の作品からつい最近の作品まで。展示場所はウィンドウディスプレイ、エレベーター内、建物外壁にまでに及びます。

会場に入ってまず驚くのは、光により微妙に変化する色彩の美しさ。そして新しさ。例えば、仲間と結成した視覚芸術探求グループ「GRAV」による初期作品『パリの街中での1日(1966)』は、今観ても興味深く、これが60年代に行われたパフォーマンスだという事に驚きます。

角度を変えて見るとまた面白い作品の数々

彼自身が選んだ14色の色彩、グラデーション、幾何学的なデザイン、同じ形の反復、組み合わせ、そしてその展開は無限大で、目の錯覚も手伝い、鑑賞者は導かれるように作品に惹きつけられ、取り込まれていきます。


見る方向やタイミングによってデザインが変わる作品『反射ブレード(1966−2005)』

92才になる現在も彼の創作意欲は旺盛。会場ではビデオやVRを使った新たな試みも紹介されており、こちらも見逃せません。

建物外壁の作品『ロング・ウォーク(1974-2021)』

エレベーター内にも代表作「ロング・ウォーク」が断片的に現れる!


今回は、コロナ禍という事もあり、店舗内のエレベーターではなく、店舗裏のエレベーターで9階まで上がり、そこから展示がスタートします。8階へは階段を使うので、普段は目にする機会のない、この建物の階段室も見られますよ。

11月30日(火)まで。無料。

*建物外壁の作品展示は10月半ばまで、ショーウィンドウ内の展示は11月2日まで。


銀座メゾン エルメス ル フォーラム



このブログの人気の投稿

【建築巡礼ー5:アールトによるルイ・カレ邸】

【アート通信ー25:ベルリン・集合住宅「ジードルング・ブリッツ」】

【建築巡礼ー10:シャトー・ラ・コストChâteau-La-Coste】