「引込線」2015を観て

23日(水)まで所沢で開催されていた「引込線」に行って来ました。
今回で5回目をむかえるこちらの企画展は、美術作家と批評家による自主企画という珍しいかたちをとっています。
会場となる旧所沢市立第2学校給食センターは災害時の備品などを保管する施設で、その機能を維持したまま展示をしなければならず、その難しさと建物自体の個性に負けない作品を提示する必要があり、ハードルはかなり高いと感じました。
そんな中で印象に残った作品は、戸谷さんの〈襞の塊〉
ただそこにあるだけ、のかなり強い存在感を放っていた
建物の設備を上手に取り込んだ白川昌生さんの〈首のない馬〉、
中心部が木でできた作品。左の青い棒は金属の建物設備
同じ様に建物の備品を上手く取り入れた、保坂穀さんの〈しましま〉
ステンレスの保管庫の反射を上手に利用している
そしてあたかも何十年もの前からずっとそこにあった様な自然による風化もそのまま受け入れる作品、構想計画所さんの〈Weathe/-ing Project〉です。
風化して流れ出るのを土嚢で防いでいる
2015年8月29日(土)~9月23日(水)の会期中週末にはゲストを迎えてのディスカッションが行われたり、終了後は充実したテキストを含む展覧会図録が制作されるなど、運営側の苦労が感じられる丁寧な企画展でした。
*展示は23日(水)で終了しています。
 


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