ふたりのアトリエ リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 12月 26, 2013 フランスの彫刻家アリスティド・マイヨールをモデルに制作された映画。 柔らかな光がとても綺麗な、静かな静かな映画でした。 繊細な光と空気感に、新たな創作意欲を掻き立てられるアーティストもいるのでは? 映画に出てくるマイヨールの代表作「地中海」は岐阜県立美術館所蔵です。 東京での公開は残念ながら終了し、只今全国巡回中。 公式ホームページ: www.alcine-terran.com/Atorie/ リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
【建築巡礼ー5:アールトによるルイ・カレ邸】 6月 11, 2016 屋根の傾斜はなだらかな土地の傾斜に沿っている フィンランドの著名な建築家でありデザイナーであるアルヴァ・アールト(Alvar Aalto:1898-1976)による建築です。 フランス人画商:ルイ・カレ(Louis Carrē:1897-1977)の晩年の家で、自然の中でアートと過ごす自宅兼ギャラリーです。 1959年に完成し(細部まで完成したのは1963年)、パリから西に40㎞、ベルサイユの先にあります。 *こちらはフランスで唯一見る事が出来るアールトの建築です。 デザインされた頑丈な門 雑木林の小道 門を入り、広大な敷地を歩いて行くと建物にたどり着きます。 玄関入口付近 木材の使用や大きく厚い窓ガラス、そして光の入れ方などから北欧の建築家の手によるものだと感じる事が出来ます。 ポーチの柱、こんなところにも木材を使用。 木材を使用したリビング外観 大きな厚い窓があるリビング リビングの暖炉周辺は自然素材の使い方がとても素敵 やわらかな光を取り込む玄関ホールの明かり窓 カレは仕事柄たくさんのアーティストや建築家と付き合いがありました。 そんな中で知り合いではなかったアールトに設計を依頼したのは、自然と共に過ごすというテーマやアートとの向き合い方に、彼と自分との共通点を見出したからだそうです。 こちらのリビングの為にデザインされたマット プライベート空間と、公的空間を分ける圧迫感のない扉 計画は3年もの年月をかけてじっくり進められ、完成後は当初の予定通り顧客、デュシャンやミロといったアーティスト、小説家、著名人などを招待してコレクションを堪能しながら交流を深めたそうです。 ギャラリストとして、まさに理想的な生活です。 庭には各居室からアクセス可 パーティーにも利用された庭 そしてカレの死後も夫人は亡くなるまで住み続け、ピカソなどの大事な美術品を手放してもここの土地・家は手放しませんでした。 とても強い思い入れがあったのでしょう。 現在はフランスのアールト財団が修復を続けながら公開・管理をしており、撮影やレセプションへの貸し出し、展覧会の開催などにも対応しています。 庭との関係(自然との関係)、部屋の取り方、家具・照... 続きを読む
【アート通信ー25:ベルリン・集合住宅「ジードルング・ブリッツ」】 4月 29, 2018 25回目のアート通信では、ドイツ・ベルリンの郊外ブリッツにある世界遺産の集合住宅、「ジードルング・ブリッツ」(1925-1931)をご紹介します。「ジードルング・ブリッツ」とは、ブリッツにある集合住宅、という意味で1931年にドイツ人建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)の指揮のもとに建てられました。 田園地帯だったところを開発した「ジードルング・ブリッツ」。この手前の池も以前からあったそう。 「ジードルング・ブリッツ」の大きな特徴は、中心となる建物が自然の地形を生かして東に向かって馬蹄形に建てられている事!馬蹄形は幸運を引き寄せる形と言われており、それを意識したとも、丸く作る事で住民が皆、朝日を浴びられるようにしたとも言われています。 テラスの壁は曇りの日でも青空を感じられるように、と青色に塗られている 37.1ヘクタールの敷地には、その馬蹄形の住宅棟を中心に何棟もの集合住宅棟が放射状に建てられています。トータルで約1960戸あります。どの住宅にも庭があり、庭では畑を作ったり、子供の遊び場を作ったり、と思い思いにそれを利用しています。 庭は2階3階の人も使用できるように平等に区切られている ではなぜ、このような住宅が建てられたのでしょうか?20世紀初めの首都ベルリンでは人口が集中し、住宅供給が追い付かなくなりました。中にはひどい住宅もあったそうです。その劣悪な環境を改善する為、政府が主導し沢山の労働者向け集合住宅が建てられました。1920年頃の事です。 なんとそのほとんどが当時の代表的な建築家によって建てられ、現在ベルリンではこちらをはじめ6つの集合住宅が世界遺産に認定されています! 各戸の窓、扉は整然と同じに配置されており、外観はシンプル。車の駐車の仕方も整然(?) ここでタウトが強く心配ったのは労働者の為の住宅、<平等>だそうです。それはちょうど道路を挟んだ向かいに建っている別の建築家が建てた集合住宅と比較しても分かります。 「ジードルング・ブリッツ」の道路を挟んだ向かいの集合住宅。デザインも色も少しずつ違う。 「ジードルング・ブリッツ」にずっと住まれている方のお宅を見せて頂きました。手を加えたり、好みのインテリアを施したり、と丁寧に住まわれていてとても... 続きを読む
【コルビジェ巡礼ー7:母の家】 4月 23, 2016 正式名称はla Villa「 Le Lac」(湖の家)です。 コルビジェとジャン・ヌレの設計により1923年、コルビジェが36歳の時に引退した両親にプレゼントした家で、スイス、レマン湖の畔にあります。父親はこの家に住み始めてまもなく亡くなってしまったので、実質‘母の家’という事なのでしょう。 個人的にはとても親しみを持ちました。なぜならその規模が小さく、自分の感覚で把握できるサイズだったからです。長さ16メートル、幅4メートル、長方形の平屋です。 庭より家を見る。ガラスの窓の様な扉が玄関。 中に入ると廊下はなく、ゲストルーム、食堂兼サロン、寝室、バスルームとわずかな仕切りだけで繋がっています。(このうち、ゲストルームは開閉式の扉で完全に仕切れます。) ゲストルーム。扉はすべて左側に収められる。 食堂・サロン 寝室 バスルーム どの部屋も南に面し、一連の大きな窓で繋がっているのでとても明るく眺望も素晴らしいです。しかも窓の高さが絶妙で、家の中から外を見ると敷地は見えず、まるで船に乗って航海している気分になります。 やはりある!屋上。 道路側より庭を見る。左奥の扉からはボート乗り場に直接出られる。 敢えて作った塀と窓。特等席。 庭から直接出られるボート乗り場。 庭に設置されている犬用の椅子。小窓から通りを行きかう人を見る事が出来る。 訪れた時は3月だったので緑も多くありませんでしたが、当時の写真を見るとうっそうと木々が生えているので、もっと緑に囲まれた家だった様です。 図々しい発想ですが、自分が住むなら自宅というより別荘かなと思いましたが、アルプスの山々やレマン湖を独り占めする眺望、庭からすぐボート乗り場に出られる解放感、とは言え、町から隔離されていないアクセス(駅まで徒歩20分)、細かいところまで気配りが行き届いた建物、「こんな家に住みたい!」と素直に思える家でした^^。 la Villa「 Le Lac」 コルビジェ巡礼はこれで終わります。 次回からは 今回の旅で触れた素晴らしい 建築・場所 について触れていきたいと思います。 *‘ コルビジェ’の表記について ... 続きを読む