投稿

11月, 2017の投稿を表示しています

「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」を観て

イメージ
先日、見逃してはいけないと「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」を Bunkamura ル・シネマで観て来ました。 アイリーン・グレイ(1878-1976)は、アイルランドの貴族の家に生まれた家具デザイナーで、自由で斬新なデザインは同時代の建築家などに驚きの目で迎えられました。しかしまだ<女>という枠が付いてしまう時代、悔しい思いも多々あったようです。 この映画では、女としての彼女を描きたかったのか、デザイナーとしての彼女を描きたかったのか、ル・コルビュジエのもう1つの顔を描きたかったのか、いまひとつはっきりしなかったように思います。あるいは、原題「 THE PRICE OF DESIRE」 からするとそれらすべてなのかもしれません。 彼女は建築にも興味を持ち「 E.1027 」と名付けた個人邸も建てます。追憶のヴィラとはまさに 「 E.1027 」の事です。 家にアルファベットと数字で名前を付 けるなんて、なんてお洒落なんでしょう! 撮影もここで行われたので、 内部をもっとよく見せてもらえたら更に良かったです。 会場では彼女の作品「ベビンダムチェア」に座れる 渋谷Bunkamura  ル・シネマでは、 12 月 8 日(金)まで上映しています。 「ル・コルビュジェとアイリーン 追憶のヴィラ」

【アート通信ー20:「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2017」】

イメージ
10月28日(土)29日(日)に大阪で開催された「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」に行って来たので、今回はそのご報告をしたいと思います。 設計:村野藤吾 /  竣工:1964年 / 「浪花組本社ビル」外観 「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」とは、 2013年に大阪で試みとしてスタートして以来、今回が5回目になるイベントです。ここでは 都市の営みの証として変化・発展しつつ、魅力を発揮し続ける建築を「生きた建築」と定義しています。そして2日間、建物内部の特別公開や、オーナーによる解説が行われます。まちを1つの大きな美術館と捉えているのでこの名称となったのでしょう。そしてこれらは 全て所有者・関係者の好意で成り立っています。 設定:安井武雄 / 竣工:1924年 /「大阪倶楽部」内部 無料公開された建物は公式ガイドブックに載っているだけでも78棟!更に今年は御堂筋が完成して80周年なので、御堂筋沿いではライティングデザイナー長町志穂氏による建物のライトアップも!観光や日常生活では見落としがちな切り口で街を観られる良い機会でした。 長町志穂氏による 御堂ビルのライトアップ 見学した沢山の建物から3か所を、ストーリーと共にご紹介します。 1、 「船場ビル」 登録有形文化財 住所:中央区淡路町2-5-8 竣工:1925年 設計:村上徹一 一見、普通のオフィスビル 1925年の竣工当初も、オフィスと住宅をあわせもつユニークで革新的なビルとして注目を集めたそうです。また、船場という土地柄トラックや荷馬車を引き込める機能も備わっていました。 現在もほぼ竣工時の姿のままオフィスビルとして活用されています。 通りに面した入口から入るとこんな感じ。トラックや荷馬車が直接入って来られたのが分かる。 〈ストーリー〉 最近は、フランスのアパルトマンみたいでお洒落!と評判を呼び入居待ちになる程の人気ビルですが、20年程前は空室が目立ち、ゆくゆくは取り壊される運命と思われていました。ところが、当時4階に入居していた環境デザイナー二見恵美子氏の働きかけによりそれは変わります。テント・ドア・看板などの統一、植栽やベンチの配置、屋上緑化が行われ、モダンでお洒落な人気ビルへと変貌を遂げました。 ド