【アート通信ー58:壁絵「騙し絵」】
COVID-19が世界中で蔓延し終息がみえず、国境の壁が高くなりました。以前は行きたければ行き、見たければ見に行っていた場所にも自由に行けないので、以前見てきたものを振り返り整理しています。 58回目のアート通信のは壁絵、特に「騙し絵」の紹介です。 フランス・リヨンの騙し絵「 La Fresque des Lyonnais」(1994-1995) こちらは、フランスの南東部に位置する都市、リヨンの「La Fresque des Lyonnais」と呼ばれる有名な壁画、騙し絵です。壁画というより、建物そのものが作品になっていますね。 「 La Fresque des Lyonnais」の別面 同じ建物の別面です。この建物にはリヨンゆかりの30名の著名人が描かれています。例えば3階には、『星の王子様』の作者として有名なサン=テグジュペリ(1900ー1944)の姿が見え、その隣には星の王子様も! 「 La Fresque des Lyonnais」の1階部分 1階の入り口付近では、名シェフのポール・ボキューズ(1926-2018)が客を待っています。2階には映画を発明したリュミエール兄弟(1862-1954/1864-1948)の姿も見えます。手前のラフな服装の男性はリヨン出身のサッカー選手、ベリナール・ラコンブ氏(1952ー)ですが、それを見て指差している人と目が合っていますね。もはや、どちらが現実なのか! リヨンにはこういった壁画が数多く存在し、全て「シテ・ドゥ・ラ・クレアシオン」と言う世界的アーティスト集団によるものです。行政を挙げて取り組んだという事もあり、どこも大変な観光名所となっています。 フランス・モンペリエ Boulevard du Jeu de Paume 通りの騙し絵 (2006) こちらはフランス南部に位置する地中海沿岸の都市、モンペリエの騙し絵です。ぱっと見分からないのですが、時空間が少し違うような気がしてよく見ると気が付きます。 MAD'ARTというアーティスト集団が手掛けました。 モンペリエ大学で学んだと言われる医師で占星術師のノストラダムス(1503-1566)や、モンペリエ出身の画家フレデリック・バジール(1841-1870)が描かれていますよ。 フランス・モンペリエ Avenue des Droit de L'homme