バルテュス
「Balthus 展」を観に東京都美術館へ。 ‘20世期最後の巨匠’と言われている彼の作品は少し文学的で、象徴的。 そして作品に漂う静かな空気には、繊細な緊張感がある。 会場最後のオリジナルグッズ販売には違和感を覚えたが、 日本で、これだけそろった作品を観られる機会はそうないかもしれない。 特筆すべきは何と言っても、 作家にとって聖地ともいうべきアトリエが再現、公開されている事。 これにより彼の人となり、作品の神髄がすんなり伝わってくるように思う。 東京都美術館で6月22日まで。 http://www.tobikan.jp/ *ずいぶん前、当時の私の勤め先が奥様の個展を開催した際、 バルテュスにお会いし、ご挨拶しました。 ‘難しい方’と聞いていたのに、始終ニコニコされて 大きな体を折り曲げる様に奥様の後ろにぴったり寄り添って、 私達の会話に神経を集中されていました。 それは初個展の奥様をとても心配されている様にも、 奥様とこうしていられる幸せを噛みしめられている様にも見えました。 そう、厳しさはみじんも感じられず、 今となっては私の貴重な思い出です。